ゴーヤのカーテン (カーネル笠井)
10月
9日
これに気を良くした私は、今年はゴーヤを育て、夏には部屋の前にゴーヤの葉で日よけを作ろうと計画しました。ホームセンターで長いプランタを2個買ってきて、部屋のガラス戸の前に並べました。ゴーヤはツルレイシとも言い、ウリ科のつる植物です。ネットを張って育てるのがふつうのようですが、それでは部屋が暗くなりすぎると思い、細い支柱をたくさん買ってきて、30cm間かくの格子になるようにワイヤーで組み立てました。そして、一方のプランタにはゴーヤの苗を2本、もう一方のプランタにはゴーヤの種子を蒔きました。
6月の中旬から梅雨が明けた7月の終わり頃までは日射量が少なくなかなか育ちませんでしたが、梅雨が明けて気温が一気に上がると、どちらのプランタのゴーヤもすくすくと育ち始めました。そして、8月の中旬にはすっかりガラス戸をおおうまで成長し、思惑通り、いやそれ以上に葉がいい具合に生い茂りました。記録的に暑かった今年の夏ですが、その部屋だけは涼しげな緑色のカーテンをしたようになり、暑さを感じさせない部屋にしてくれました。初めは、枝のせん定やら害虫対策やら肥料など、調べてみるといろいろ手がかかるようでしたが、結局は水をあげる以外何の手入れもしませんでしたが、実の収穫も充分でき、10月になった今でも実が育っています。
実で面白いのは、収穫のタイミングが1日遅れてしまうと、緑色だった実が一晩で黄色くなってしまいます。こうなったらもう実を熟させて種子を取るしかなくなってしまいます。そして、この黄色い実の中は真っ赤で、そこに種子が入っているのです。ちょうどピーマンに緑色のものと、黄色ピーマンと赤ピーマンの3色があるのに似ていて、とても面白く思いました。
初めは、「お布団を干しにくくなる。」と文句を言っていた妻ですが、可愛い実ができ、それが一晩ごとに大きくなっていくのに大喜びをし、いつの間にかその部屋で寝るようになりました。小さな黄色いお花がたくさん咲き、それに混じって小さな実のついため花も咲きます。それを目当てに小さなチョウや羽虫がとんできて、お花の花粉をめ花に受粉してくれます。それを見た妻は、「毎日受粉を手伝うために来てくれるんだ。」などと感動し、いつの間にか「真夏には、昼に水をあげるとお湯をかけているのと同じことになるから、朝夕がいいのよ。」などと、どこからか情報を仕入れてきて、いつの間にか私の日課だった水あげを取り上げて、せっせと自分からするようになりました。近所の人から「お部屋の前の素適なものは何ですか?」などと聞かれると、もうすっかり初めから自分で育てているような気分になり、友人を招いてはそれを見せるようにさえなっていました。
植物と、それを取りまく虫たちが与えてくれる感動は本当に素晴らしいものですね。
Last updated October 9, 2007 13:15:23