子供達の言い分 (カーネル笠井)
9月
19日
私「もう終わったの?まだ空欄があるから、その問題を考えたら。」
A「もうやってもわからないから、あきらめた。」
私「それなら、できている問題の解き直しをしたら。」
A「なおすと、まちがえちゃうからしないんだ。」
何とももったいないテストの受け方です。大人の感覚だと、1つでも2つでもミスが見つかってそれが直せれば大もうけのはずです。ところが、6年生でも今の時期ではまだ初めの答えが正解で、解き直したときの答えの方が不正解ということが実際にも多いのです。やはり、解き直しのときには最初のときほどの集中力は出せないようです。
こうなる原因は、まだ知識が正確でないことが一番影響しているようです。ちょうど、老中の水野忠邦の行なったのは「天保の改革」なのか「享保の改革」なのかと迷うようなものなのでしょうか。そして、これからの数ヶ月でこういった知識を正確なものにし、解き直しでミスが見つけられるように集中力も持続させる訓練が必要となってくるのです。
たくさんのあいまいな知識よりも、少なくても正確な知識の方が得点に結び付きます。それは、その知識をもとに考えることができるからです。ですから、ただいろいろなことを教えても、それが覚え切れなければむしろマイナスということになってしまいます。それを使って考える習慣が身に付かないからです。知識は常にそれを使って考える楽しさとともにでなければ意味がないのです。
何かを覚えたら、すぐにそれを使って考える。それを繰り返すうちに正確な知識も、思考力も同時に養われてくるものです。それを考えると、中学受験に必要とされる知識は、その量をはるかに越えているようで心配です。何も考えずに知識の詰め込みに走る、という場面も多く見受けられるからです。ですから、子供によって必要な知識の取捨選択がどうしても必要になってきて、これが常に私たち指導員の大きな課題となっています。
カーネル笠井
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