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飼い猫に指をかまれる (カーネル笠井)

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飼い猫に指をかまれる (カーネ...
先日、さやえんどうの大好きな犬のお話しがありましたが、これはホウレンソウのおひたしの大好きな猫の話しです。

母は戦時中に飼っていた大型犬の非業の死がショックで、わが家ではもう生き物は飼わないということになっていました。そんな中、小学4年生だった私が捨て猫を拾って帰ったのです。そして、姉達の応援もあって、何とかその猫を飼うことを許してもらったのです。私の兄弟にとっても初めてのペットです。みんなで可愛がって育てました。耳にできものがあり、うみも出てくさいにおいを出していました。毎日それをきれいにふき取り、薬をぬってやることを続け、間もなくそれも完治しました。毛並みのきれいなトラ猫で“ピッピ”と名付けました。猫なりに恩を感じたのか、私が高2の冬に私になでられながら死ぬまでは、ほとんど毎晩のように1回は私の布団の中に入り込んできてはゴロゴロと喉を鳴らしていました。そんなピッピの大好物がホウレンソウのおひたしでした。肉食動物のせいか、口にしたホウレンソウを歯の奥で不器用にかむしぐさが少し変で良く覚えています。

私は好奇心旺盛の小学生でしたので、ピッピを可愛がるかたわら、よくおもちゃにもして遊んでいました。4つ足を両手で持って逆さにつるして空中で放します。するとくるっと半回転して上手に足から着地します。床にどれくらいの高さまで近づけてもこれができるのだろうなどと考え、ピッピが失敗するまで続けていました。いやがってもくすぐり続けると、前足で私の手をかかえ、後ろ足で何回もけっておこっていることを知らせていましたが、うまくつめを出す長さをかげんし、うっすらとしたすり傷しかつかないように気を配っていたようです。

そんなある日、あまりにもしつこく私がくすぐるものですから、少しこらしめるつもりで指をがぶっとかんだのです。こういうことも何回もありましたが、たいていは強くはかまないので痛くはないのです。ところが、この日はいろいろなタイミングがピッタリと合ってしまったのか犬歯が私の親指にぶすっとつきささってしまったのです。私はチクッと痛みを感じましたが、結局たいして血が出ることもなく、その傷は何もしなくてもすぐに治りました。それに、生傷は他にも絶えることなく作っていたのでそれほど気にはなりませんでした。

このことで今でも印象的に覚えているのは、そのときのピッピの眼です。きっと強く噛む気は全くなかったのに、何かのはずみで自分の主人の指に歯がつきささってしまったことのおどろきと、申し訳なさと、事の重大さを同時に感じていたのだと思います。私の指をかんだまま眼を大きく見開き、私の顔を見ていました。その眼の意味することは私にもすぐに理解できました。ですからこのことは親にも話さずにいたのです。

私にとって“飼い猫に指をかまれる”という事件になってしまいましたが、猫の眼がいろいろなことを語ることを知る機会にもなりました。この他にも、猫達には本当にいろいろなことを教えられました。
                            カーネル笠井
 
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