めずらしく青空に恵まれた今年の桜です。たいていは桜が満開になっても、この時期の関東地方の空にはちょうど春がすみがかかり、それによって桜の花のうすいピンク色がかすんでしまうことがほとんどなのです。これだけ何日も青空とそれに映える花のピンク色との対比を長く楽しめた年は記憶にありません。その反動か、昨日、今日の台風並の春の嵐で残りの花びらも最後の1枚まで飛ばされてしまいそうです。
桜が満開を迎えていた先週の中ほど、桜の枝が切られたり、折られたりしたという報道が相次いでありました。こんな中ですごく気になることがありました。
人気お天気キャスターのM.N.さん。桜の花2〜3輪を耳に飾りとしてつけて登場です。
MN「みて下さい、きれいでしょう。そこに落ちていたんですよ。」
私「あれはきっとスタッフが木から取って来て、拾ったと言って放送しているな。80%以上間違いない。」と思いました。
最近人気の漫画家のM.Y.さん。桜の枝が大量に切られていたとの報道に対してのコメントです。
MY「私も自分の車の下に折られた桜の枝が落ちていたんですよ。やさしい私はそれを家に持ち帰り、枯れないように水にさしてあげたんです。」
私「まちがいなく自分で折って、持ち帰って飾ったんだろう。ほぼ間違いない。」それにしても何というコメントをするのだろう、と思いました。
もしかすると本人達は本当のことを言っているのかも知れません。しかし80%以上はそれがうそで、自分で折ったのだろうとうたがわれても仕方がないのです。つまり、“桜折るバカ、それ飾るバカ”なのです。
昔から“桜折るバカ、梅折らぬバカ”といって、梅は生け花や鉢植え等で良く使われていますが、桜は折ってきて飾らないのが当たり前になっています。この説で一番有力なのは、ソメイヨシノはもともと接木で育て、増やされてきたもので、枝を折ったりするとそこから菌が入り、木全体がくさってしまうことが多いのだそうです。その他にも、桜は新しく伸びた枝だけに次の年の花芽ができるので、それを折ってしまうと次の年にはその部分には花が咲かなくなってしまいます。それに反して梅は丈夫で、花芽は古い枝にもたくさんつきます。ですから、余分な枝を折ってやると残りの花芽に養分がまわされてきれいに咲くという理由もあるのです。
いずれにしても、桜は折られたものでもそれを拾ってきてそれを飾るような楽しみ方は避けるべきなのです。最近わが家の近くでも“夜桜を楽しむ会”なるものが開かれています。桜は出かけていって楽しむだけのものでいいのではないでしょうか。
カーネル笠井
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