プラハ ロレッタ教会の光と影
5月
14日
「フラッチャニ広場」から素直に「国立博物館」と「戦争博物館」の間を歩いていけば、平坦な広い道を土産物屋などを見ながら『ロレッタ教会』に着いたのだが、テラスからの眺めに釣られてスタバテラスから下る坂道を「戦争博物館」を右手に見ながら降りてしまった。
谷底まで下ると『ストラホフ修道院』への道標が差す方向は、ダラダラの登り坂。仕方がないので登り始めたが、このままでは『ロレッタ教会』を通り過ぎてしまう。まじぃなぁ、と思い始めた時、右手に人二人程度の細い階段とCafeの看板が現れた。
女房に「ん~、こっち」と言うと、また、あからさまに嫌そうな顔をする。階段だから仕方ない。「こっち行かなきゃいけないのぉ」と言いながらも着いては来る。すまん。細い階段を上り切ると、なんと『ロレッタ教会』の真ん前に出た。何となく神の導きを感じる。アーメン。
入場料と撮影料を払うと、おばちゃんが記念に必要だからね、と釣りの100CZkを50CZkコイン2枚で渡す。記念って何だ。
入場するといきなりコリドール。壁面天井のフラスコ画が美しい。そして、中庭には、殆ど中庭を塞ぐ四角い函状の建造物と2体の噴水がある。この函状の建造物こそ、「聖母マリアの家」を再現した建物。キリスト教の逸話に「聖母マリアの家は天使によりパレスチナの地よりイタリアのロレッタ村へ運ばれた」って、結構無茶な話があり、この教会の名前は、その話に由来している。敬虔なクリスチャンは、この「聖母マリアの家」を観に『ロレッタ教会』を訪れるのだ。
順路に沿ってコリドールを進めば、小さいながら壮麗な礼拝堂に至る。すぐそばの『ストラホフ修道院』の「神学の間」にも通じる煌びやかな装飾は見る者を圧倒する。全然違うと言われるかもしれないが、何故か以前に南魚沼の西福寺で見た「越後のミケランジェロ 石川雲蝶」の天井彫を思い出した。
さて、この礼拝堂だが、実は、壮麗な装飾に隠された、もう一つの顔を持つ。礼拝堂の隅に置かれた椅子の前の大理石は、この礼拝堂の地下にある霊廟への入り口だ。今は閉ざされて見学できないが、回廊の2階に作られた部屋で内部の様子が再現されている。そこは、死神や悪魔が描かれたおどろの世界。同じ礼拝堂の地上と地下に光と影のように極端な対比が描かれている。
そのコリドールの2階へ上がろうと階段へ行くと「ロレッタ教会観光コイン」の自販機がある。1個50CZk、なるほどこれが記念品という事か。
階段を上がると「宝物展示場」がある。キリスト教における相当貴重な品々が展示されている。日本で言えば「秘宝館」だが国宝級のオンパレードだ。中でも一際輝きを放つのは、ダイヤモンド6220個に飾られているという「聖体顕示台」。ふざけた話だが、見ている分には美しい。
一渡り見学を終えて表に出てみると、教会の正面をカメラに納めようとドイツ人っぽいおっさんがコンデジで苦闘していた。「教会入れて、あんた撮ってやろうか?」と言ってやろうかと思ったが、万一チェコ人で、写りが悪いことに腹を立てて、窓から放り出されたらたまらんのでやめておいた。
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