プラハ城 ゴシックの極み 聖ヴィート大聖堂
5月
12日
裏口から大聖堂の中に入れば、ゴシックの極みの様な高い天井の大ホールである。午前中に見た『聖バルボラ教会』よりも、更に大きい。ん~、流石は「世界最大の城」の中の最大の建造物だけの事はある。でかい。
壁面を飾るステンドグラスは、どれも見事だが一番有名な『アルフォンス・ミュシャのステンドグラス』は、入って直ぐ(西側3枚目)の壁面にある。流石に美しい色使い。この世界的に有名なステンドグラスのモチーフは大モラヴィア帝国にキリスト教を布教したギリシャ人の兄弟「聖キリルと聖メトディウス」。
ステンドグラスはスポンサーが教会に出す看板みたいなものなのだが、このミュシャのステンドグラスのスポンサーは「スラブ銀行」である。そのモチーフが「聖書をスラブ語に翻訳して布教した逸話」で知られる二人の聖人であるあたり、生前から金銭的成功を収めたミュシャらしくて笑える。
なお、日本人である私なぞには良く判らないが「大聖堂」と「教会」は違う物らしい。「カトリック」の定義では「大聖堂」は「カテドラル」=「司教座聖堂」と表記される。「司教座聖堂」って何よ?という事だが、Wikiによれば「司教座聖堂」とは、「祭壇の内陣中央に設けられる司教が座るための椅子すなわち司教座(ラテン語で cathedra)を持つ聖堂(教会堂)のことであり、司教が長を務める聖堂」と説明されている。「教会」とは、その下部組織にあたり小教区を司教では無い聖職者が担当する施設の事を言うらしい。ちなみに教区を持たない聖職者の施設が「修道院」なのだそうだ。
さて、その内陣中央に陣取る「司教座」の回りをぐるりと回れば、『聖ヤン・ネポムツキーの棺を抱える天使像』がある。2トンも有る大きな銀製の像で見ごたえあり。『クトナー・ホラ』の銀山のお蔭か?
『聖ヴィート大聖堂』において、もっとも有名で重要な場所と言われる『聖ヴァーツラフ礼拝堂』だが、何気に地味で観光客も少なく危うく見過ごしてしまいそうな「部屋」だった。
「黄金の漆喰に1300以上の貴石に飾られ」とか観光本に書いてあったので、さぞやギンギラキンキラと思っていたが、本当に地味で暗い。むしろ、外に描かれた「ボヘミア」「モラヴィア」「シレジア」の紋章の方が、余程に美しい。でも、この礼拝堂の奥には本物の「ボヘミアのジュエルクラウン」が安置されている、との事。一般観光客は礼拝堂には入れず覗くだけ、と聴いていたが普通に人が入っていた。(普通の人ではないのかもしれんが)
さて、内部をぐるっと見て回ったら外に出て南面へ回る。東西に長い建物なので一番見応えがあるのが、この南側面だ。黄金のモザイクが輝き美しい。幾何学的に計算されつくしたダブルに張られたフライングバットも良く見える。この広場には「聖ゲオルギウス(聖イジー)の騎馬像」が建ち、お定まりのドラゴン退治をしている。角のオベリスクは、結構新しい物だそうだ。
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