投稿日 2023-07-01 22:23
猫の揺りかご Blog
by
hotaru
まるでラジオの周波数が、外界の雨と湿気のこもった部屋の空気とでおかしくなってしまったかのように、パーソナリティーの声は割れ、不規則なノイズに邪魔されて、BGMも途切れ途切れにしか聞こえない。亜理紗はテーブルに無造作に置いたレジ袋から、ガサガサとコンビニ弁当を取り出して、電子レンジのスイッチを押した。...
投稿日 2023-07-01 18:22
猫の揺りかご Blog
by
hotaru
出窓から彼の姿を確認し、わたしは階段を駆け下りる。キッチンからはスクランブルエッグの美味しそうな香りが漂っていて、わたしは思わず足を止める。ピンポン、というチャイムの音に、わたしは我に返り、家主も慌てて玄関に向かう。彼女が「セールスお断り」のステッカーが貼られたドアを開けた瞬間、わたしはすかさずドア...