20220325

最近、石井桃子の「家と庭と犬とねこ」を読んだら、
なんだかすごく興味が出てきて、
この間の地震で本棚がえらいことになって少し反省したのに、
また本を買い込んだ。
まあ地震なんかで本を控えることは、ありえないのだけど。

たくさんの絵本を翻訳してきたこの人が、
この時代の人なのに生涯独身で子供がなかったことに、驚いた。
私は絵本を出すことになったとき、自分に子供がないのを引け目に感じていた。
誘ってくれた作家さんも、担当の編集者さんも小さい子のいるママだった。
ビアトリクス・ポターだって子供なかったし!とかも思ったし、
何より私自身だって昔は子供だったんだし!と思ったし、
子供がいるとかいないとかは関係なく、
ただひたすら、私は私の絵を描くという仕事を貫くだけだ、と思ったことには、揺れはないのだけど。

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20220314 バスケットボール

週末、近所の子供がバスケットボールの練習をしていることがある。
バスケットボールは、アスファルトやコンクリートの地面に、ばこん、ばこん、とてもよく響く。
早朝だったりすることもあって、けっこう「う、うるさいなあ…」と思ってしまう。
ある日、私は窓からそっと見てみた。
中学生だと思う、女の子だった。
私は一瞬で許してしまった。うるさくてむっとした気持ちはなくなってしまった。
なんだかとてもどんくさそうだったのだ。
あれは決して上手な方ではない。
たぶんクラスで足を引っ張る方だ。
足を引っ張るのが辛くて練習しているのだ。
だから妙にひとけのない時間にばかりやっているのだ。
垢ぬけない感じの眼鏡の女の子に共感してしまった。
私もそっち側だったからさ。いいよ、がんばりなよ。と思ってしまった。

でも夫は違うらしい。
あそこの家はマナーがなっていない、感じの悪い一家だから、許せないんだそうだ。
あの子がバスケットボールをしていると、私に怒りをぶつけてくる。
辟易。

絵が得意でいいですねーって、美容師に適当なコメントをもらったことがある。
彼女はいつもスポーツチームに入っている、練習に明け暮れた子供時代だったという。
「絵なんてね、いくら下手でも人に迷惑かけないもの。
体育で同じチームの子に迷惑かける苦しみは、味わったことないでしょう?」
私がそう言うと、彼女はしばらく考えて。
「そうですね。下手な子と組まされると舌打ちしたりする方でした…」
と、最高に正直な告白を受けてしまった。笑
こういう時、変にフォローのために嘘言われるより正直な方が嬉しいものだなあ。

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20220308 芸術家

「海辺のカフカ」の中で、芸術についてのこんな感じの説明があったと思う。(うろおぼえ)
芸術家とは冗長なプロセスを省いて答えを取り出すことができるひとのことだ、というような。
つまりアレコレ考えられて作られたものではないのに時代を鋭く切り込んでいたり、
知らないはずなのに真理を突いていたりする、、というようなこと。

若い時に読んだ時は、妙に反感を覚えた。いい加減な感じがする、と思って。
でも心にひっかかるものを感じて、たびたび思い出す。
そうかもしれないって思ったりする。
「考えるより感じろ」みたいなこと。

それはまぐれとか、勘の良さ、みたいなものであって、
それができるのが芸術だ、というようなことではないかな…と今は思う。

想像の海で自由に泳ぐように絵を描きたい。
大好きなのに私は不器用だ。
もっともっと自由に描きたいのに。
広やかでありたい。
本当は何でも描けるはずだよ。


それにしても「海辺のカフカ」、読んだのは10年以上前だし、
きっと今読んだら全然違ってるのだろうな。
今はあまり読む気がしないけど(印象的だけどしんどいし好きじゃなかったから)
もしかするとそんなセリフないのかもしれない。

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20220218 お父さん

私は父に似て歯が良くない。
歯並びはいいのに、歯ぎしりがひどすぎるらしく、何かとトラブルが多い。
歯医者さんにも、よく意外そうにされる。
歯並びもいいし、よく磨けているのに…と。
父は小学生のころに、跳び箱から落ちて、上の前歯を折った。
(そんな子供のころから前歯ないなんて気の毒に…)
たぶんそれに伴って、全体に歯が良くない。
事情はまったく異なるのだけど、
「お父さんに似て歯が悪いの」
とふざけて言うと、私はちょっと心が軽くなる。
不思議と、お父さんと一緒ならしょうがないね、という気分になれる。

母がこの間、胆のう摘出の手術を受けた。
数年前に胆石で手術して、取り切れなかった胆石があったので、
今度は胆のうごととる手術を受けたとのこと。
胆石があるのは知っていたので、それはもう心配いらないと思うと気持ちが軽いと言って喜んでいた。
亡くなった祖父(母の父親)も胆石で手術を受けていた。
胆石できやすい体質なのかな?遺伝?おじいさんに似ちゃったのね。
と言う母がちょっと嬉しそうなのを私は感じた。
なんでちょっと嬉しいのか、私にはよくわかる。

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20220213

「紀ノ川」は読み終えてしまった。はー面白かった!
一人分の一生をなぞらせてもらったようで、人生の儚さを感じてじーんとした。

父が話題にしていたのは、農地解放のことだった。
はて、どう話題にしていたのかは思い出せていない。笑
父が余談として、紀ノ川の流れ(東から西)に逆らってお嫁に行くのが不吉であるという迷信を話してて、
私がとっさに、
「すぐ人材不足にならない?」
と言ったら笑ってた。物語の中にも、人材不足には触れられてなかった。笑
一番上流のおうちは、どこからお嫁さん貰えば良いのだろう。

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20220211 バレンタイン

父はバレンタインによくチョコレートを貰って帰ってきた。
理系の大学教授なので、職場は女性の割合は多くなかった方だったと思うけど、
教授だからなんだろうか、色んな人がくれるようだった。
母はそれをちゃんと数えておいて、ホワイトデーまでに百貨店でお礼のお菓子を買っておく。
かわいいもの美しいものが好きな母らしく、
いかにも女性が好きそうな気の利いたお返しを準備する。
くれたものよりいいものだったりするくらいだったと思う。
母は、
「もしお父さんが職場で倒れたりした時に、
ちょっとでもいい印象持ってた方が助けてくれる可能性が高いでしょ。わいろよ」
と、冗談にして笑ってた。
私はいい奥さんだなあ…と思っていた。
昨日ふと、「紀ノ川」を読んでいて、母はお礼のお菓子によって父の職場で存在を示す意味もあったのかなと思った。
だって、バレンタインにチョコレートを贈って、
ホワイトデーにその妻が選んだちょっと豪華なお返しを貰ったら、ちょっと近づけない気がする。
昨日まで思いもしなかった。わりと朴念仁なので。

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20220210 紀ノ川

有吉佐和子の「紀ノ川」を読んでいる。

帰省したときに父が、「カラマーゾフの兄弟」にハマっているらしくて、ずっとその話をしてた。
私が
「だいぶ前に、同じ人の訳で読んだよ」
と答えたのでとても喜んだのだ。
私も嬉しい。
その流れではなかったけど、何かの話で父が「紀ノ川」に触れたので、
それは読んでないなあと思って、その場ですぐに注文していた。
帰省から戻ってきてすぐ届いたけど、なんとなく忘れていた。
そもそも何の話でこのタイトルを口にしたのかも忘れてしまった。笑

昨日、父は手術のため明日入院だとLINEで母に聞いた後、本棚のこれが目に留まった。
何の話題だったは忘れたけど、読んだら思い出すだろう。
次に父に会った時、「紀ノ川読んだよ」と言ったら喜ぶかもしれないと思って読み始めた。

読みやすくて、どんどん読める。
昔の習慣や価値観に触れるのって面白い。
三分の一ぐらいまで読んだけど、まだ、何の話題だったのか思い出してない。
この本の中でも、主人公とその祖母が
「ドストエフスキーは読んだ?」というやりとりをしてて、ちょっと不思議な気持ちになった。

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20220204 編み物

細々と編み物をしている。
初めて靴下を編んでいる。数週間かかって片方出来た。
ちょっとずつだし、上手くもないけど、とても楽しい。
ちょっと時間が空くときのお楽しみ。

コロナ感染者が一番少なかったころに一度帰省したときに、
父が私に、自分の着ているのを指して
「このカーディガン誰が編んだと思う?」
と聞いてきた。
「お母さんでしょう?」
と私。
「そうなんだよ。これすごく暖かくていいんだ」
という父。
「お父さんが暖かいって言ってくれるのが一番嬉しい」
と後ろから自慢げに言う母。
え~~お母さん幸せな女だねえ…と思った。
イイ女でもあるな…と思ったり。

あの毛糸は1玉3千円以上すると思う。
男物のカーディガンだから、10玉じゃ足りないだろう。
それぐらいの出費してもそれ以上の価値を生み出せることに、とっても感心しちゃう。
私だと既成のカーディガン買ってきた方が良くなっちゃう。ほとんどの人がそうだろう。
でも実は何年も前に編んで、やはり父が着ていたものだそうだ。
すりきれていた部分があったので、ほどいてその部分をよけ、
毛糸を買い足してデザインを変えて編み直したという。
すごい。
そんなことできる人、この世にどれくらいいる?
少なくとも私は身の回りで母くらいしか思い浮かばない。

それで、なんとなく、編み物がしたくなった。
幸せな女になりたくて。笑
でもねえ。
母が編み物が上手なのは、努力も才能もあるけれど、
父が働いていた間に編み物教室に通ったからでもあるんだよ。
母は別ジャンルのお教室を開く側でもあったから、
ご近所のお教室に顔を出すことは母にとっては営業みたいな面もあったとは思うけど。
それでも、私の世代だと考えられない、と感じる。
夫が仕事してる間、夫の稼いだお金で習い事に通うということが。
もちろん母の世代や周りだと普通だったはず。
他にも同様の人が通っていたのだから。

それが羨ましいのかというと、そういうわけでもない。
私は私で仕事出来ているんだし、それで楽しく幸せ。
でも、好きな人のためにカーディガン編んであげられる幸せはない。
そういう幸せは、上の世代のものなのだ、と思った。

それにしても私が子供のころは喧嘩ばかりしていて、
母はいつも父のこと批判してばかりいたのに、
父の定年後こういう夫婦になるなんて。
母は父が定年してから嬉しそうに見える。
やっぱり母は幸せな女だな。

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20220130決意

https://sumatome.com/su/1382061063550734339
少し前に、これを読んで、まったく残念だし恥ずかしいけれど、
私はまさしく「努力できない脳」の方だなあ…と思った。
悲観することではないという風に描かれているのが救い。
しかし腑に落ちる。
(そういえばGeneLifeの結果でも、報酬依存性が低いと出た)

「努力できない脳」なので、
「最低限の努力で最大の成果を出す工夫をしている」。
私のことだ。
イラストレーターとして本を出すのは一握りの人間だけど、
私がそうなれたのは、最低限の努力で最大の成果を出す工夫をしてきたからだ。
というのも私は絵が下手だ。
ただ、絵が上手だからってプロとしてうまくいくわけじゃないってことをずっと意識してた。
上手いだけで中身が空っぽで売れない人がたくさんいるっていうのを、知ってた。
だから、上手下手の問題じゃない、何を描けばイラストレーターになれるのか、
どう工夫すれば売れるのか、ということばかり考えてきてなんとか上手くいったのが今だと思う。

もし、「努力できる脳」だったら、今みたいにはなれなかったと思う。
上手い人はごまんといるから、埋もれちゃっただろう。

だけど。
ここ最近のスランプは絵の下手さが原因なんだわ。
目をそらしていたけど。笑
私、これから頑張って脳をうまいこと騙して練習努力します。
ここでひっそり(!)決意します。

ワオ!と言っているユーザー

20220128

せっかく登録したので何か書いてみようと思う。
このところとてもストレスが溜まる仕事をしていた。
フリーランスである程度仕事が選べるようになってからしばらく経ち、
ここ何年かはこういう種類のしんどい思いをしていなかったから、
なんだか若返ったようなというか、若者になったような気分になった。
若い時はしんどかったなあと思って。
そういう辛い仕事に限らず、仕事が多すぎてフラストレーション感じるときとかも、
無性に手芸がしたくなる。
妙に、手芸がしたいしたいと思っているな、ああ今仕事がしんどいのか。と気づくくらい。
それでそういう時、時間を見つけてちょっとずつ道具を買ったりする。
仕事が楽になったらやろうと思って。
そして、仕事が楽になるとやらないのである。
ゆとりがあれば仕事が一番楽しいので、結局仕事をしてしまう。
手芸の道具や構想がちょっとずつ増えていく。
今は、編み物の道具が増えています。

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