安全の値段 BSE感染牛への対処とセシウム除染への対処は似ている?
最近、BSE汚染牛排除目的でのアメリカ産の牛肉の日本への輸入制限が少しゆるくされる可能性が取りざたされ始めましたよね。
BSE汚染が話題になっていた頃は
「断じてUSA産の牛肉を日本に入れるべきではない!」
の意見が大勢を占めていましたが、今回の条件変更の可能性に関してはあまり強い反対意見が聞こえてきませんでした。
米国牛、輸入規制緩和を検討=国内検査も縮小へ―厚労省
時事通信 10月18日(火)12時42分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20111018-00000048-jij-soci
BSE(牛海綿状脳症)対策として継続している米国産牛肉などの輸入規制や国産牛検査について、政府が規制を緩和する検討を始めたことが18日、分かった。小宮山洋子厚生労働相は同日、閣議後記者会見で「最新の科学的な知見に基づいて再評価を行うことが必要」と話した。
輸入規制については、現在は生後20カ月以下の牛の肉に限って認めている米国からの輸入を、30カ月以下に広げることなどを検討する。
国内では20カ月超の牛に検査を義務付けており、実際には自治体が自主的に全頭検査を行っているが、BSEのリスクが高い高齢牛に限定する案が浮上している。
厚労省は内閣府食品安全委員会に対し、規制を緩和しても問題ないか諮問する見通しだ。
まあ、まだ決定ではないので騒ぎにならないだけなのかもしれませんが、これは危険に対する日本政府や日本人の意識を反映している出来事だとも思えますよね。
BSE汚染に対して、アメリカでは完全にコストパフォーマンスで危険性の話を押しこめています。
アメリカの肉牛の間でBSEのプリオン感染が受け継がれているであろうことは誰も否定しないのだけれども、でも、その頻度の低さが同時に指摘されています。
さらに、プリオンに感染した牛肉を食べた場合の発症率の低さもけっこう大々的に報道されています。
結論として、1000万人に1人以下の人だけが(こんな数値だったと思うけど、うろ覚え(^_^;))、アメリカ牛を食べてプリオンに感染して、BSEを発症すると。
だから、その危険性を恐れてアメリカ中の牛の全頭検査をするよりは、感染しちゃった運の悪い人を手厚くケアしましょう、その方が国を運営する上で経済的です。
てな論理ですよね。
アメリカの牛の全頭検査をするのはどう考えてもコストパフォーマンスが悪いからやらない、そういう理屈です。
これに対して、日本人は
「そんなことありえない!全頭検査しないのならアメリカ牛の輸入はしない!」
そう叫んで一時は完全に輸入を凍結していました(吉野家の牛丼が提供されていなかった期間です)。
実際に、日本国内の牛に対しては全頭検査を施行して、疑わしき牛はすべて処分したし、プリオン感染している動物の肉が入っていると思われる海外からの飼料も全て廃棄されたはずです。
同じ頃に、アメリカと違って、オーストラリアやニュージーランドではBSE汚染は起こりませんでしたし、完全にそれが入らないシステムをオセアニアの国々は作り上げていました。
だから、アメリカ牛の輸入はストップしてオージー牛に輸入牛肉の市場が取って代わるのかと思っていました。
ところが、いつの間にか、、、20カ月齢以下のアメリカ牛の肉は輸入制限が解除されていましたよね(笑)。
そして今回、それが30カ月に押し上げられそうだと。
じゃあ、アメリカで全頭検査が進んだのかと言えば、そんなことはないです。
アメリカはBSE感染管理に対するスタンスは変えていません、抜き取り検査はしますが、全頭検査なんてコストと手間がかかり過ぎて非現実的だとして実施しない方向です。
態度が変わったのは日本の方です。
日本の国民が忘れたころを狙って、国民の命を守る立場のはずの国が輸入制限をなし崩しに解除の方向に進めようとしている。
そして国民もそれに騒がない。
本当に、のど元過ぎて、「アメリカ牛は安いし、被害の話も聞かないし、まあいいか」、って思い始めている気がする。
これはなぜでしょうか?
それは、日本人が忘れやすい国民性であることもあるかもしれませんが、「きちんとした情報が提供され続けないから。」だと思うんです。
いつのまにかスーパーの店頭では「BSE検査済み」の文字を見かけにくくなってきましたよね。
アメリカ牛を販売する以上は、販売する側はBSEに感染している可能性がゼロではないことを常に表示するべきです。
表示した上で、感染に対する危険性と、安い肉を手に入れる利便性の両方を消費者個人が判断して買うようにすべきだと思うのです。
子供に食べさせる目的で牛肉を買う人には、BSE感染していることが否定されていない牛肉を子供に食べさせた場合、非常に低い確率かもしれないけれども、不幸な転機をとる場合があることを理解していただいて、その上で行動していただくべきです。
(BSE感染牛を食べた人の中での発症者のほとんどがティーンエイジャーです。)
そう表示されたら子供のいる人の多くは買わないでしょう。
子供に食べさせる気はしませんが、子育ての終わった壮年以上の人たちは、食べたって発症する可能性はほとんどないのだから食べても平気なはずで、それなら安い肉を買う選択肢があってよいと思います。
そしたら安く買えるから消費者もハッピーではありませんか?
(プリオン感染者との日常生活での感染はないと考えられています、それはスクレイピーがハンニバリズムのあるニューギニア特有の風土病だった頃からわかっています。)
同じこと、セシウムの内部被曝についても、情報の細かい提示が重要だと思うのです、基準値以下でも数値を表示して、消費者に選択させるべきだと思います。
個人的な思いから言えば、国は何も、全ての安全を全ての国民に対して保証するようなこと、しなくていいとおもうのです。
(自分で判断できない子どもはどんなに生意気なクソガキであっても(笑)それから守るにしても)
それよりも、自分で判断する情報を全ての国民に提供することに関するコストは惜しんではならないと思うのです。
間違っても、忘れた頃になし崩しに規制を緩めるようなこと、セシウム汚染に関しては、しないでいただきたいです。
子供の口臭
画像はWikipediaよりBSE感染牛
shino
ごんた
平本伸子(NOBBY)