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ツナ缶レビュー zu-mix3.0

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  • ハッシュタグ「#気合の入ったツナ缶レビュー」の検索結果19件

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■初めての方は、国産ツナ缶の面白いとこをつまみ食いできる #めずらしいツナ缶 がおすすめです。
ゴースト「ツナ缶にしき」にご用の方は、←からどうぞ。

 おしらせ
 ・zu-mix3.0自家通販でツナ缶解説本を手売りしています。クレカ対応。
 ツナ缶レビューに大ボリュームの解説を交えた「ツナ缶の本 The Unlimited」が人気です。

195缶 パッケージも中身も大きく変わった「はごろもフーズ シーチキンとろ」の解説・実食

スレッド
はごろもフーズ シーチキンとろ...

はごろもフーズ シーチキンとろ
オリーブオイル漬(2021)
びんながまぐろオリーブオイル漬けスライス・高級品

びんながまぐろ全体からわずか1%程度しか取れないとろ肉だけを使用し、一缶ずつ丁寧に手詰めしました。オリーブオイル漬けで、少し贅沢な家飲みにぴったりな一品です。






こんなツナ缶です



おねだん
けっこう高い(600円前後)
魚の種類
ビンナガマグロ(ホワイトミート)
液汁の種類
油漬け(ゆるい香りのオリーブオイル)
身のほぐし方
トロ肉のかたまり

おすすめの食べ方
お皿にあけて一枚ずつはがして
おいしそうに食べてほしい





シーチキンとろ、まさかのリバイバル・リニューアル(2021.11開缶)



 シーチキン群の中で高級品として渋い地位にいるシーチキンとろ。なんと80年代に販売されていた「シーチキンとろ(オリーブオイル漬)」にリバイバルした。これにあわせ、フタが開けやすいものから従来のタブ付き(EO缶)に戻り、ついでに国産からタイ製造に転換した。
 この先祖返りについて、おそらくシーチキン全体で進めている「賞味期限をYYYY.MM(年月)表記に統一」が大きく絡んでいると考えている。
 

Q:どうしてシーチキンの賞味期限は年月表記になったの? いつまで食べられるの?




A:シーチキンを売るお店や、それに携わる方々の負担を減らすため。書いてある年月の月末まで食べられる。



 従来シーチキンの賞味期限は年月日が書かれたYYYY.MM.DDになっていて、たとえば賞味期限が 2021.06.10 なら、2018年6月11日に作られたツナ缶(3年-2020年の閏年を引く)といったように製造日の逆算がしやすいメリットがあったが、販売店や卸の倉庫に 2021.06.102021.06.22 のツナ缶が在庫したときに先入先出(古い在庫から先に消化する)で前者と後者を区別しなければならず、整理の手間を流通側に与えていた。
 それを解決するのが年月を書くYYYY.MM表記で、 どちらも 2021.06 という賞味期限を使ってしまえば、事実上どちらも同じロットとして扱えるため、販売店と倉庫の負担を減らすことができる。
  また、賞味期限はどちらの 2021.06 であっても、その月の月末(2021.06.30)までメーカーが保証してくれる。
 
 しかしこう思うはずだ。「(缶詰会社から見て)消えた日単位のロットはどう管理するの?」と。
 なんのことはない。 /YA ※などの缶詰会社用の符号を足すことで、缶詰会社はそのツナ缶がいつ作られたのかがわかる。
※(この/XAというのは製造日の上旬がX中旬がY下旬がZ・1桁目は1から順にA-Jを割り当てるという符号パターンのたとえで、実際にシーチキンで用いられているものではない)
 他のシーチキンはほとんどYYYY.MM表記に統一されつつあり、他社のツナ缶も追従して順次変わっていく……と思われる。

 
 ■年月表示がもたらすメリットについて詳しく:
 ・「賞味期限の年月表示化」 農林水産省 2016.12
https://www.maff.go.jp/j/shokusan/recycle/syoku_loss/attach/pdf/161227_3-15.pdf


どうして先祖返りしたの?




A:たぶん賞味期限YYYY.MM統一のあおり。他のやさし~る缶もEO缶または在庫限りに。



 「やさし~る」ははごろもフーズの登録商標で、イージーピール缶と呼ばれる技術でアルミ製のフィルムをくっつけ、従来のEO缶より軽く開缶できてフチで手を切らないやさしさを獲得。さらに従来と同等の賞味期限3年を持っていて、消費者には良いことづくめの仕組みだった。しかし、前出の賞味期限YYYY.MM統一に伴って月末まで製品保証する必要があることから「賞味期限は製造から37ヵ月」に一ヵ月伸びたため、順次賞味期限を一ヵ月伸ばしても品質上問題がないか確かめる試験を行っている。
 
 そして、この試験ないしYYYY.MM表記に移行させる際、何かの意志決定でリニューアル、もしくは終売にしようと判断され、ラインナップが整理されたのではないか? タイ産に変わったのは製造を担ってきた焼津プラントに内部的な事情があったから? なのかもしれない。どちらにせよ推測の域を出ないのだが、賞味期限YYYY.MM統一に伴うテコ入れで今までやりたかったことをまとめて実施、その結果がオリーブオイル漬へのリバイバルだったのではないだろうか。

 (なお、筆者の手元にやさし~る缶かつ製造後3年以上経ったツナ缶があるが、変敗や腐食などの問題はみられないことを付け加えておく。保存の条件は他の缶詰と同じ)

 この余波で在庫限りになったやさし~る採用缶の一例が シーチキンとろ、シーチキン炙りとろ(いずれもリニューアル)、素材そのままシーチキンファンシー(終売) 。
 いずれも強烈な個性のツナ缶だったため、無くなるのは悲しい。しかし、素材そのまま~は水煮のためライトミート製品と差別化しきれないという拡販のネックを抱えていたため、このタイミングで命脈を絶たれるのは自然なことだったのかもしれない……




 わりとどこにでも売っているはず。ヨーカドーとか、お高い感じのスーパーとか。前パッケージより黒くて派手に、縦置きになり、見つけやすさとレーン占有量への配慮がうかがえる。
 イージーピール缶をやめて、サンマ蒲焼のようなタブ付きイージーオープン缶になった。2021.6製造。


缶を開けたところ




 かたまり状のとろ肉が入っている。開けるとほんのりオリーブオイルの香りがする。
 節目に沿ってはがすことができて、はがすとピンク色の身が現れる。外は固いが、中はやわらかい。食べてるときもオリーブオイルの自己主張が目立つ。
 かたまりのままおいて彩るのも、節目で剥がして花のように飾るのもよい。
 
 少なくともタイ産になってグレードや味が落ちたようには感じなかった。
  

☆各種評価



・グレード ★★★★★ 4.8
・価格   ★★★★★ 5.0 #540円/缶
・味覚評価 ★★★★☆ 4.4 
・入手性  ★★★☆☆ 3.0 #お高いスーパーにあるはず
・原産国  国産

☆スペック
固形量55g / 内容総量75g
213kcal/缶 食塩相当量0.8g たんぱく質16.0g
原材料 びんながまぐろ(国産)、オリーブ油、食塩、野菜エキス/調味料(アミノ酸等)
JAN:4902560011921  製造固有記号AC TORO TU /AW
 はごろもフーズ株式会社(静岡県静岡市清水区島崎町151) 製品ページ
Tuna canning review No.195


参考資料




・[PDF]「賞味期限の年月表示化」農林水産省食料産業局 2016.12
https://www.maff.go.jp/j/shokusan/recycle/syoku_loss/attach/pdf/161227_3-15.pdf

・[PDF]「とろ肉だけを使用した贅沢なシーチキン!「シーチキンとろ」「シーチキン炙りとろ」新発売」はごろもフーズ 2021.8
https://corp.hagoromofoods.co.jp/ja/news/news-3449441819080717386802425790/main/0/link/210813c.pdf

・「数字で見るシーチキン」はごろもフーズ 2018
https://www.hagoromofoods.co.jp/shokudou/numbers/

・「シーチキン60年の歴史」はごろもフーズ 2018.11
https://www.hagoromofoods.co.jp/shokudou/history/
#はごろもフーズ #びんながまぐろ #オリーブオイル漬 #スライス #気合の入ったツナ缶レビュー

ワオ!と言っているユーザー

204缶 タイ最強缶詰会社・Union純正ツナ缶「SEALECT TUNA STEAK In Rice Bran Oil」

スレッド
おめでとう!あなたのツナシール... おめでとう!あなたのツナシールは本物です。国際生産基準のツナ缶です

Thai Union : SEALECT TUNA STEAK In Rice Bran Oil
(タイユニオン シーレクト ツナステーキ こめ油使用)
かつお米油入り水煮チャンク・普及品


こんなツナ缶です


おねだん
現地ではちょっと高い級(30バーツ)
魚の種類
SKIPJACK TUNA(カツオ)
液汁の種類
油入り水煮(こめ油9%くらい使用)
身のほぐし方
小さめのゴロゴロ肉

おすすめの食べ方
加熱系の料理にドーッと。
ちょっとマヨ味あってマヨネーズもよさそう



タイユニオンの国内ブランド・SEALECT


 タイユニオン。泣く子も黙る水産加工メガコーポ。日本でいうところのはごろもフーズだが、製造量も輸出国も同社の比ではない。
 その巨大さをわかりやすく伝えるならば、かつてアメリカでもっとも有名だったChicken of the Seaを手中に収めるほど。日本で出回る輸入ツナ缶にも同社がOEM製造したと思われる製造所固有記号の製品が出回っているが、検証するにあたって言葉の壁で点と点を結べずにいる。
 
 輸出向けにいろいろなブランドを持つタイユニオンだが、自国内向けにはSEALECTという名前でツナ缶などを売っている。国内向けなので製品に英語表記はなく、すべてタイ語。筆者はタイ語を読めないうえキーボードで入力できないので、調査の苦労は海外ツナ缶ながら日本の商社が卸になっているポルトガルツナ缶(No.111)の比ではなかった。
 本項目に掲載している内容は、Webサイトの情報を英訳し、それを日本語に意訳する形をとった。各種評価の一括表示については、可能な限り日本向けに合わせた。油入り水煮なんてカテゴリはタイに無いが、水と油の割合が表示されていたため、日本で用いられる「油より水の使用量が多い」を援用して油入り水煮とした。ハラル認証がついている。
 
 パッケージに書いてあるのはソリッドのようだ。タイ語が読めないのでソリッドだと思っているが、実際は……
 本品をSEALECTのトラッキングサイトで調べたところ「この製品はカツオだよ」「巻き網で釣ったよ」「太平洋で漁獲したよ」というだけの内容が妙にお洒落な雰囲気で表示された。ここから飛べる。なおタイ語である。
 2017.10製。缶の裏に製造所固有記号と共にSKIPJACKと書いてあり、前出のトラッカーと組み合わせてカツオ油入り水煮缶と同定された。
 

缶を開けたところ



 
 たまねぎの風味が広がる。カツオの身は大きく、食感は国産品より硬い。ほのかにマヨネーズのような下味を感じる。ステーキと銘打ってはいるが、本邦のまぐろステーキ(No.185)よりはステーキしていない趣だ。
 単体でもいけるが、ごはんとの相性は日本向けの輸入ツナ缶のほうがよさそう。加熱系の料理に向いていると思う。

 海の向こうでも、ツナ缶の高級化という概念が日本同様に存在していることがわかった。
 海外ツナ缶ゆえに情報不足はなはだしい部分があるが、大目に見てほしい。こういうのは恐らく間違いなく絶対に必然的に山下東子先生のほうが詳しいはずだ……
 

各種評価


・グレード ★★★☆☆ 2.6
・価格   ★★★☆☆【2.8】 #30バーツ≒116円くらい/個
・味覚評価 ★★★☆☆ 3.4
・入手性  【N/A】 #輸入卸のない海外ツナ缶
・原産国  タイ

☆スペック
固形量56g / 内容総量80g
90kcal/缶 食塩相当量0.3g(魚体含有分を含まず)
原材料 かつお(70%)、米油(8.9%)、(水20.6%)、食塩
EAN:8852021707121 製造固有記号AOL8ABRAJ CJ PO
販売者  THAI UNION FROZEN PRODUCTS PCL. 製品ページ
Tuna canning review No.204

☆ツナ缶スーパーリンク!

(No.111)Filetes De Atum Em Azeite Virgem Extra Bio

→輸入卸のある海外ツナ缶。しずてつストアで売ってた。いいなあしずてつストアは。いろんなツナ缶が売ってて。ほんとうにな。ほんとな。

(No.189)ワイルドプラネット

→輸入卸のない海外ツナ缶。メキシコでつくられアメリカで販売される。淡白だったけど普通に食べられた。おいしかった。

(No.10)AYAM BRAND Tuna Kari Hijau

→2013年11月。ツナ缶ブログで「輸入卸のない海外ツナ缶」を積極的に取り上げなくなった、きっかけの製品。味が日本向けにローカライズされてないのは覚悟してたんだけど、味が本場の味すぎて白旗を上げた。
#かつお #チャンク #気合の入ったツナ缶レビュー #油入り水煮 #海外ツナ缶

ワオ!と言っているユーザー

201缶 ネクストミーツ・Nextツナ 代替肉ツナ缶の実食

スレッド
100%植物性で低脂質コレステ... 100%植物性で低脂質コレステロールゼロ。なのにタンパク質もしっかり補給できます。

ネクストミーツ Nextツナ
代替肉ツナ缶・高級品


こんなツナ缶です


おねだん
そこそこ高い(400円弱)


魚を使用していません!
植物性の原材料です

身のほぐし方
細かいほぐし肉

おすすめの食べ方
冷たい料理(サラダや冷やし中華)との相性よし
そのまま食べるのはおすすめしない


解説:ツナ缶に現れた代替肉



 「畑の肉」と呼ばれた大豆を加工して、肉の味に近づける──代替肉の試みはツナ缶の産業化より古く、1907年にJohn Hervey Kellog氏が小麦と牛乳の成分で畜肉っぽい食感を再現して特許を取り、09年にBeyond Meat社が肉らしさを先鋭的に進化させて代替肉のハンバーガー用パティを発売した。このように、代替肉はアメリカが世界を牽引している。
 
 大豆をはじめとした植物性の原材料でコンビーフの味を再現する先駆者がいて、ツナ缶も大豆で代替肉というと昔の映画やゲームに取り上げられた「完全な栄養食」としての代替肉が真っ先に思い浮かぶが、現状の代替肉は「食感の代替とアレルギー等への対応」の段階にある。将来的に完全な栄養食になるかどうかは未だ決まっていない。
 
 植物性原材料のみで作ることによって得られるメリットとして、
 ・原材料マグロの政治的な事情(ex.水産資源、不漁や豊漁)に影響されない
 ・マグロアレルギーへの対応
 ・ヴィーガン対応、ハラル対応が著しく容易になる
 ツナ缶すなわちマグロかカツオが必要、という常識を打ち破って、新たな消費者への、新しいアプローチが可能になるということだ。
 
 逆にデメリットは、
 ・代替肉はみんな高い。本物を使うほうが安いのはツナ缶も同じ
 ・大豆原料のGMO(遺伝子組換え)に新たなトレーサビリティが求められる
 ・加工の難しさから「数」を作れない(これは価格に転嫁されている)
 ・相対的に限られた流通経路(数を作れない、価格が高いという単純な二点と商品価値をはかりにかけて、ニッチになってしまった)
 
 名前こそ代替肉だが、様々な事情でマグロ・カツオを食べられない消費者にとって、唯一ツナ缶にアクセスできる手段であることは留意したい。

 なお、製造元の三育フーズはベジツナという製品を出していて(賞味期限2年)、NextツナのあとにOmniツナという代替肉ツナ缶が参入している。NextもOmniも入手が難しい製品のため、買って食べるのはけっこう大変そう。
 
 保守的だったツナ缶業界にこれら代替肉ツナ缶が入ることで、どのような波を起こすのか。ベルカ人に倣って「実食で確かめよう」。刻印が2024.1なので、たぶん2022.1製造。


 フタにべったりくっついている。ツナというよりはマヨネーズの香辛料のような香りを感じる。

 箸で掴むが、非常に硬い。カツオより硬い。噛んでほぐしてみると、火の通ったたまねぎのような味がする。もちょもちょして、ツナの肉の感触をやわらかくしたような食感。そのまま一缶で食べるのに適さない感じ印象を受けた。


 なのでツナサラダにした。野菜にNextツナを乗せ、そこにドレッシングをかける。
 
 ドレッシング、野菜、どちらとも相性が良い。だいぶツナっぽくなってきたし、冷たい料理でツナの代わりに使う分には有効活用できそう。温かい料理(とくに汁物)に使うと繊維が分離してしまう気がする。

 「ツナ水煮缶から覇気と動物性タンパク質を取り除いたやつ」。革新的なプロダクトは、本来のツナ缶はマグロやカツオの命の一部を頂くものだったのを強く実感させた。現状オーガニックな(つまり動物性原材料を使った)ツナ缶に味でかなわないが、すみわけは十分できていると思った。
 
 再度言うが、「様々な事情でマグロ・カツオを食べられない消費者にとって、唯一ツナ缶にアクセスできる手段である」。

 …たとえ代替肉ツナ缶だとしても、販売元がツナ缶を目指して製品化したのだから。私はツナ缶の一種に組み入れ、シーズン3の始まりを告げる「ツナ缶」として実食して、ここに筆をおくことにする。

☆各種評価
・グレード ★★★★☆ 4.0
・価格   ★★★★★ 4.5 #390円/缶
・味覚評価 ★★★★☆ 2.5
・入手性  ★☆☆☆☆ 1.3 #自社通販、一部の小売店
・原産国  国産

☆スペック
固形量70g/内容総量90g
219kcal/缶 食塩相当量1.45g タンパク質13.1g
原材料 粒状大豆たん白(国内製造)、植物油脂、粉末状大豆たん白、植物性粉末ブイヨン(小麦を含む)、香辛料、砂糖、塩、さとうきび抽出物/香料
※動物性の原料は一切使用しておらず、パームオイルや、牛骨炭を用いた白砂糖も使用していません。
JAN:4573534570296 製造固有記号なし
販売者 ネクストミーツ株式会社(東京都新宿区新宿一丁目 34-16 清水ビル2F) 商品ページ
製造者 セブンスデー・アドベンチスト教団食品事業部三育フーズ(千葉県袖ケ浦市浦拓1-1-65)
Tuna canning review No.201

■参考資料
・「令和元年度新たな種類の JAS 規格調査委託事業調査報告書」17-24p 日本能率協会 2020.3
https://www.maff.go.jp/j/jas/attach/pdf/yosan-25.pdf

・「代替⾁の開発と今後の展開―植物⾁と培養⾁を中⼼に―」国立国会図書館 調査と情報 No.1113 2020.9
https://dl.ndl.go.jp/view/download/digidepo_11538934_po_1113.pdf?contentNo=1




☆イベント参加予定



■委託参加
・8/1(月)~14(日)おもバザハンズ 静岡・広島
(静岡会場)東急ハンズ静岡店 新静岡セノバ3階
(広島会場)東急ハンズ広島店 広電立町電停そば
→ だいたい評論・情報ジャンルの本のストア販売イベントです
→ https://omobaza.com/

■直接参加
・9/25(日) 関西めしけっと6(たびちけっと5in関西)
(会場は京都)京都パルスプラザ第一会場 竹田駅からちょっと歩く感じ
→ 飲食ジャンルオンリー(二次創作可)と旅行オンリーの併催になった即売会です
→ http://meshiket.dojin.com/

・10/30(日) 九州コミティア6
(会場は小倉)西日本総合展示場AIM3階
→ 一次創作オンリーの即売会です
→ https://www.q-comitia.com/event/6_2022/

・12/29~31 コミックマーケット101
→受かったら
#めずらしいツナ缶 #ヨドバシドットコムで買えるツナ缶 #哲学 #気合の入ったツナ缶レビュー

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67缶 かもめ屋・ライトツナフレーク(食塩不使用) 高価格・高性能な塩抜き水煮缶の実食

スレッド
魚のくさみや、パサつきがなく、... 魚のくさみや、パサつきがなく、まぐろ本来のうま味がギュッと詰まっています。魚の旨味が染み出たスープも捨てずにお使い下さい。

かもめ屋 ライトツナフレーク水煮・食塩不使用
まぐろ水煮フレーク・準高級品


こんなツナ缶です


おねだん
ちょっと高い(250円くらい)
魚の種類
生産状況に応じてキハダマグロ、メバチマグロを併用(ライトミート)
液汁の種類
水煮(食塩を使わず、塩分のない野菜スープのみで調味)
身のほぐし方
やや細かいほぐし肉

おすすめの食べ方
高性能なツナ缶で、サラダやサンドイッチなど冷たい料理にとどまらず、お茶漬けなど温かい料理も好適。
離乳食の適性あり。食塩相当量1缶0.1g。



解説:こだわり炸裂のライトミート塩抜き水煮缶


 かもめ屋は油漬・水煮の二本立でツナ缶を企画するファブレス企業。「美味しくて安心安全」を至上命題としたツナ缶を市場に送り出し、一定のファンを獲得している。本品は6年ほど前の2015年春に取り上げたかもめ屋ライトツナ(水煮)を2017年にリニューアルしたもので、食塩不使用への転換によって介護食や離乳食にたいへん使いやすい製品になった。中身にも缶にもこだわった結果。ライトミート内でぶっちぎりの高価格220円/缶になってしまった。食塩相当量もツナ缶ブログ全百八十数缶の中でぶっちぎり最少の「0.1g」。0.1g入る理由は、マグロの身にある海水の塩分から。
 それでも缶詰に詳しい方ならこの価格でも相当無理をしているということがおわかりいただけるはずだ。ツナ缶ではめっきり見なくなった北海製罐製のアルミ缶胴。台形になる独特なフォルムが特徴的で、ついでに全部アルミ缶で捨てられる。

 伊藤食品のOEM。宝幸の国産ツナ缶もここが作ってる。本品はかもめ屋直売のほか、一部オーガニック食品店や楽天24でも購入できる。製造から二ヵ月ほどの若いロット。
 

☆缶を開けたところ



 身の細かさは旧製品と据え置き。しかし、塩分を抜いた代わりに野菜の下味が強くなった。塩抜きの水煮で食塩相当量0.1gのスペックとは思えないほど液汁に味が付いている。水煮特有のパサパサも控えめ。野菜スープの味が良い意味で個性的。他の水煮缶と一緒に食べると更に個性が際立つ、しょっぱさベースに少々のすっぱさ。パンチが効いてるため、普通の水煮缶と思っていると度肝を抜かれるだろう。だが、確かに塩の味がほとんどしないのだ。それでいて、油漬缶のノリで料理に使うことができるし、温かい料理冷たい料理どちらにも高い適性を発揮する。
 
 ライトミートとしては高価なツナ缶だが、高価な理由をストーリーと味の両方で説明して、消費者を納得させる。リピーターが多いのも納得のツナ缶に仕上がっている。
 
 なお、本品はソレドコに寄稿した「ツナ缶はこんなにも種類がある……! 160種あまりのツナ缶を食べたツナ缶マニアのおすすめツナ缶10選」でも取り上げている。2021スタイルでの再録と相なった。筆者にとってはいろいろと思い入れのあるツナ缶だ。

(この記事は、「ツナ缶の薄い本 zu-mix vol.2(2017.3発行,絶版)」で実食した(No.67)かもめ屋水煮食塩不使用の再録です。希望小売価格や解説のブラッシュアップをおこないましたが、2021年現在も中身や仕様に違いはありません)
 

☆各種評価


・グレード ★★★★☆ 3.8 
・価格   ★★★★☆ 3.7 #220円/缶 直売の値段
・味覚評価 ★★★★☆ 4.5 #かもめ屋水煮に比肩し、別の方向性を示した
・入手性  ★★☆☆☆ 2.0 #楽天24で買えるだけ良心的か
・原産国  国産

☆スペック


内容量 80g
61kcal/缶 食塩相当量0.1g タンパク質13.8g
原材料 まぐろ、野菜スープ
JAN:4992552000095 製造固有記号なし
販売者 (株)かもめ屋(静岡県静岡市清水区草薙2-18-31) 製品ページ
製造所 伊藤食品(株)(静岡県静岡市清水区幸町2-67)
Tuna canning review No.67b

ツナ缶スーパーリンク!


(No.176)ワイルドアルバコア

→ビンナガ水煮との対比。値段は一回り高い。個人的にはかもめ屋のほうが好き。炊き込みご飯にするならワイルドアルバコアすね。

(No.125)パルシステムの水煮・食塩不使用

→他社で似た仕様の競合品で、こちらのほうが安価。パルシステムも決して悪いツナ缶ではないが、ツナ缶としてのスペックが違いすぎる。ユニオンリアルドとユニオンフラッグくらい違う。

(No.135)モンマルシェ水煮ソリッド

→水煮ソリッドはニッチ市場ですね。高けりゃうまいというわけでもなく、400円で4.3点にとどまる。

(No.46b)JF和歌山 まぐろ水煮

→このくらい本格的だとどうにか比肩するか。

(No.18)まぐろ水煮(旧製品)

→2015年の記事。旧製品は食塩を使っていた。缶のデザインが大きく変わり、銀色ベースから水色に大転換したのがわかる。味の解像度をオミットせずに食塩抜いたのは「魔法」としか言いようがない。いわばリミットレギュレーション前のツナ缶がこいつということなので、食塩あってもいい使い方ならばこっちは4.9点付けられる。
#かもめ屋 #めずらしいツナ缶 #ヨドバシドットコムで買えるツナ缶 #伊藤食品 #気合の入ったツナ缶レビュー #水煮

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173缶「由比缶詰所 炙りビントロ(2020)」 2020年のツナ缶トレンドとともに

スレッド
びん長鮪のハラモ肉を軽く『炙り... びん長鮪のハラモ肉を軽く『炙り』、一枚一枚丁寧に手作業ではがしたものを、その香ばしさと共に閉じ込めました。単品ではもちろん、パスタやサラダのトッピングとしてもお使いいただけます。

由比缶詰所 ホワイトシップ印 炙りビントロ(2020モデル)
びんながまぐろトロ肉オリーブオイル漬スライス・最高級品

伝説のツナ缶みたび


 お土産ツナ缶として定着した由比缶詰所が誇るラインナップのうち、門外不出の至宝「炙りビントロ」。炙りビントロそのものの詳しい解説は、一昨年の2017モデルを参考されたい。本稿では筆者から見たツナ缶の総括、2017モデルと2020モデルの違いを中心に紹介している。

 「入手性を無視して、長井さんが最高と思うツナ缶は何ですか?」への答え。ビンナガのとろ肉を炙り、それを一つ一つ剥がし詰め、オリーブオイルに漬けたツナ缶。同様の製法を用いるツナ缶としてシーチキン炙りとろを挙げるが、あちらはキハダのとろを使ったライトミート製品で、こちらはビンナガを使ったホワイトミート製品だ。
 10月10日は筆者の誕生日で、「缶詰の日・まぐろの日」。誕生日には毎回このツナ缶と、その時に飲みたい酒を開けることを目標にして毎年生きていて、今年もこの日を迎えることがかなったのである。公開が遅れたのは単純に忙しかったから。

筆者が思う2020年期(2019.10~2020.10)のツナ缶トレンド


 新型コロナウイルス感染症が日本を脅かして既に半年以上が過ぎ、長期にわたる自粛や巣ごもりによって缶詰全体の需要が急騰した。これは2011年東北地方太平洋沖地震の後にもみられた傾向で、ツナ缶のほかにサバ缶やトマト缶、さらに製菓材料までその特需が及び、震災のころにあった保存食一辺倒の集中でなく裾野の広がりをみせている。
 また、震災当時はミヤカン・気仙沼ほてい・木の屋石巻水産(いずれも宮城県)の被災による操業停止→国産ツナサバ缶生産激減、東洋製罐(仙台工場)被災による缶胴の不足など大きな混乱があったが、今回は各社とも工場をフル稼働させて需要急騰を混乱なく乗り切った……というのが消費者としての肌感覚だ。各社とも相当な努力をもってコロナ禍に挑んだことは想像に難くないし、本ブログを目にかけてくれた関係者がいたら御礼申したいところである。
 各社のプロモーションも「巣ごもりで増える家族分のおかずをツナ缶でカバー」「帰省できない代わりに実家へツナ缶の贈り物を」といったツナ缶の可用性と保存性を前面に押し出し、急伸したサバ缶との差別化を図っていた。
 
 他の青魚缶詰(イワシ、サンマ、サバ)では、サンマの漁獲量が激減し、ミヤカンが原材料サンマの冷凍在庫を払底(アーカイブ)というニュースが影を落とした。気仙沼は10月10日にようやくサンマ初水揚げと相成っているものの、原材料サンマが補充され生産計画が立つまで同社のサンマ缶を頂くことはかなわないだろう。廉価・小型の青魚として親しまれたサンマ缶と、ブーム以降高級志向への転換が進むサバ缶。イワシ缶市場が成長し、第三の選択肢になるかどうか……
 
 また、サバ缶専門レビュアーとしてTwitterで活動を始めたサバ子氏(@sabasaba_mizuni)がサバ缶・シンギュラリティとなった点も注目したい。氏は画像1枚で1種類のサバ缶を紹介するというスタイルを取っており、読みやすいレビューと歯に着せない評価で1万人に迫るフォロワーを獲得している。氏がツルヤ(長野県ローカルスーパー)のPBサバ缶を発見し「この値段で飛び抜けた味」と評した途端、いちローカルスーパーのいちPB製品の名がSNSで轟き、消費者もまた新進気鋭のレビュアーを欲していることが見て取れた。
 
 ツナ缶以外の缶詰が盛り上がるのは需要を食い合う(競合する)のでは、と考えられがちだが、少なくとも製造側からしたら共存繁栄の関係にある。先述のサンマのように不漁が翌年の生産計画に直結するうえ、ブームやコロナの影響で消費者が殺到した時に市場全体の缶詰流通量を急に調整することができず、機会損失が積み上がりやすい。
 いっぽうツナ缶は現状こそ重量シェアでサバ缶の後追いとなっているが、需要の底が硬い。製品の精製度の差(青魚は切り身のかたまり、ツナは剥いてほぐす)から設備は大規模になり、生産量の小回りが効かない(から多めに作る→国産品の安売りが起こり利益率下がる)という欠点が、利点に変わる。ツナ缶は年内を通して需要より多めに作っているから、需給バランスの調整のために安売り競争が起こる……よって、需要急騰時は多めに作った分が安全弁として機能し、価格が元に戻るが「市場在庫の払底」は避けられる。さらにこの後ろには震災で使われた「輸入ツナ缶の輸入量を増やす」という切り札まで残っている。これがツナ缶の供給が他の安定している理由で、同時に切り札を使わなくて済むよう国産ツナ缶を日ごろから食べてほしい理由だ。日ごろから食べないといつか輸入ツナ缶のみが市場を支配しかねない……
 
 与太話はこの辺にして。前年以前のロットと見比べてみよう。

賞味期限がラベルから穴あきに


 2017ロットから再びパッケージが変わり、ラベルで2021年X月と表記していたものが、パッケージ裏面中央に穴をあけて直接缶の賞味期限を見る形になった。これはとろつな(No.105)等でみられる形態だ。また、カロリーも上方修正されている。
 炙りビントロは年を変えるごとに、その年のビンナガの脂乗りなどで味が微妙に変わる。そのため、年式ごとにわけてツナ缶レビューを書いている。本年は今春2020ロットが手に入ったため、2020年製造の炙りビントロを紹介する。

缶を開けたところ



毎年思うが身が美しい。炙り目のスモークのような香りもあるし、目で見ても口に入れても楽しい。
例年に比べ硬い気がするのは、熟成が足りてないからだろうか。

やはりそのまま食べるのが最も味がわかると思う。炊き込みご飯にしたらそのおいしさにひっくり返ってしまう。

 なお、入手性で本品の0.1点を凌駕する製品「枕崎市かつお公社 ツナまよ(No.164)」が登場した。その点数は0.03点。2013年からずっと同じツナ缶を定期的にレビューすることで、相対的にツナ缶トレンドの移り変わりが見えてくる。「伝説のツナ缶」の矜持を、私は見届けていきたい。
 
 ツナ缶に繁栄のあらんことを。

各種スペック



・グレード ★★★★★★ 6.0
・価格   ★★★★★★ 5.9 #594円/個(直売所)
・味覚評価 ★★★★★★ 6.0 #
・入手性  ★☆☆☆☆☆ 0.1 #直売所限定
・原産国  国産

内容量90g 362kcal/缶 食塩相当量0.6g たんぱく質13.8g
原材料 びん長まぐろ(国産)、オリーブ油、食塩
JAN:なし 製造固有記号IM
製造者 株式会社由比缶詰所(静岡市清水区由比429-1)
Tuna canning review No.173

■「ツナ缶スーパーリンク!!」



(No.118)炙りビントロ(2017)

→炙りビントロそのものの解説は本項が詳しい。

(No.03)炙りビントロ(2013)

→7年前に書いた、2013年産炙りビントロの記事。正直このツナ缶があったからツナ缶ブログを立ち上げたと言っても過言ではない。

(No.11)まぐろ油漬フレーク(綿実油)

→みんな好きって言うだけの理由はあるのよ。
#めずらしいツナ缶 #気合の入ったツナ缶レビュー #由比缶詰所

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1400円のツナ瓶レビュー「おつな トマトバジル」

スレッド
トマトの旨味を凝縮したドライト... トマトの旨味を凝縮したドライトマト。グルタミン酸が溢れます、そこにバジルを加えた王道の一品。色も綺麗ですね。

おつな(otuna) ドライトマト&バジル
びんながまぐろ油漬けフレーク瓶詰・高級品

全て手作りのツナ瓶


 2017年、東京・池尻大橋の小料理屋から生まれたツナ瓶詰「おつな」シリーズ。ツナ缶では再現できないシックな見た目と小洒落た名前が渋谷区民に受け、贈答品として各メディアに取り上げられるに至っている。その人気は、19年9月現在ネット通販全品が一か月のバックオーダーになるほど。名前的が伊豆川飼料・とろつなしろつなそっくりで、同社との親交もある。
 焼津に直売所併設のラボを作ると聞いてご挨拶に伺い、そこで頂いたのが本品だ。ツナ製品としては珍しく高品質なインタビュー記事が幾つかあったので、製造に至るまでのストーリーは本記事末・参考資料の項が役立つと思う。
 
 ツナ缶ブログは製品に着目する。瓶詰といえば保存食の父ニコラ・アペールが最初に生み出した缶詰のルーツだが、缶詰が発明されてから「こわれにくさ・つくりやすさ」等の利便性で缶詰が主流を占めることとなる。
 そのような中、本品は手軽・普通といったツナ缶のイメージから脱却し、中身の見える透明さを求め「瓶詰」を選んだ。先祖返りである。デメリットは大きく:
 ・常温保存できる認定を得るのが難しかった
 ・工程すべてが手作業で、作る手間がすさまじい(速度も遅いし歩留まりも悪い)
 そのかわり、見た目からして缶詰にない高級感を演出できた。2019.9製。賞味期限は製造から50日。

 ☆瓶を開けたところ

 ビンナガの白い身と小さく切ったトマトが目立つ。開けた後の油の香りは控えめで、にんにくのほうが強い。
 バジル・にんにくはしっかり調和がとれている。特筆点は身のやわらかさだろう。ビンナガ油漬の缶詰は身がパサパサしやすいものの、低温調理によって刺身のような身のやわらかさとしっとりさ + ツナ缶のような油との融和を実現している。それでいて保存性も製造から常温50日(ご家庭に届くころには一か月くらい)あるから驚きだ。
 ご飯との相性は大変良い。かけるだけで高級ふりかけに早変わりする。


 筆者はパスタにして食べた。パスタも同じく、一人前にあえるだけで料亭の味を再現できる。

 開発のハードル、製造の手間。できあがった味……製造者の執念じみたこだわりを感じ取れる製品だった。自腹で買っても後悔しなかったと思う。
 なお、本記事は提供品をもとに執筆した。ツナ瓶は守備範囲外だった筆者に興味を持つきっかけを作ってくれたおつなの関根氏、伊豆川飼料株式会社に、この場を借りて御礼申し上げたい。

☆参考資料

・「進化続ける”おつな”高級ギフトの正体」磯山友幸 Wedge2019年5月号 2019.5
https://isoyant.hatenablog.com/entry/2019/05/27/060000

・「情熱の目線:“乙な” 言葉遊びに笑顔がこぼれる。大切な人に贈りたいマグロのオイル漬け「おつな」」ぐるなび・ぐるすぐり
https://gurusuguri.com/special/media/jounetsu/spcu-024_otuna/

☆各種評価
・グレード 【N/A】 #ツナ缶ではない 評定不可
・価格   【 高 級 品 】 13.8 #1,382円/瓶
・味覚評価 ★★★★☆ 3.9
・入手性  ★☆☆☆☆ 0.5 #土日のみ直売
・原産国  国産

☆スペック
固形量80g / 内容総量120g
ーーーkcal/瓶 食塩相当量-g
原材料 マグロ、植物油、岩塩、にんにく、ドライトマト、オーガニックバジルペースト、玉ねぎ、セロリ、利尻昆布、乾燥しいたけ
JAN:なし  製造固有記号なし
製造者 おつな(東京都世田谷区池尻3-5-22) 製品ページ
Tuna canning review No.X20190926
#Xナンバー #びんながまぐろ #気合の入ったツナ缶レビュー

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新世代型ツナスイーツ 田子の月・シーチキン大福の実食と評価

スレッド
シーチキンと大豆を使い、ほんの... シーチキンと大豆を使い、ほんのりスパイスを効かせた全く新しい大福です。
アーカイブ

 

田子の月 シーチキン大福
 まぐろ油漬入り大福・和菓子

売り切れ続出のツナスイーツ


 静岡の和菓子屋・田子の月と、はごろもフーズのシーチキン食堂がコラボレーションして生まれた大福。私が観測した中で初めて製品化されたツナスイーツだ。
 本品は販売経路も大きく限定され、
 ・2019年7月22日~8月21日に
 ・新静岡セノバの田子の月で
 ・数量限定販売される
 など、入手性など考慮されていない製品だ。筆者は11時頃買いに行って潤沢な在庫を見たが、夕方訪れた伊豆川飼料御中は売り切れを見ている。たぶん昼過ぎにはなくなるタイプの大福だろう。

 なお、本ブログはツナ缶(まぐろ・かつおの油漬け、味付け等)やその関連商品に対する筆者目線のレビュー、解説を目的としているため、ツナパウチも猫缶もツナ入りのナントカというのも理論上レビューできる範囲におさめてある。ただし、猫缶やツナ入りのナントカについては、その品目数があまりに膨大であるため、特筆性のある製品のみを載せる方針をとっている。
 特筆性は、ツナ缶ブログに載せてその情報を可能な限り長期間のこして、筆者や読者の学びになりそうなもの、今後現れる研究者の助けとなる価値がありそうなものを筆者の独断と偏見でピックアップしている。ツナスイーツは筆者が長年研究に取り組んでいるが結果の芳しくない分野であり、例え限定販売だったとしてもシーチキン食堂の看板を背負っていち早く製品化にこぎつけた本品は特筆性を満たしていると結論付けた。

 ツナ缶レビューと同様に製品スペックを着目しよう。
 おおむね一般的な大福と同じだが、やはり「まぐろ油漬」が異質だ。シーチキンを名乗る以上業務用シーチキンLフレーク(パウチ)以上のものが使われていると推測できるが、実食でシーチキンのグレードが判定できるだけの経験値は持っていない。
 19.7.26製造。買ったのも同じ日で、賞味期限は製造から1日。キャンペーン開始早々に買ったため、シーチキン食堂のクリアファイルをいただいた。

開腹したところ



 なるべく綺麗に切り出した。開いたとたん、ツナと大豆の香りが広がる。
 大豆も含めてツナの下味とこしょうが効いていて、大福由来の甘味はほとんど感じられない。塩大福にツナが入っているような印象だ。
 面白いのはツナの含有量だ。多すぎても油でぐずぐずになり、少ないとツナの存在感がなくなる。本品はその中間をいくよう絶妙な配合、大豆の介入によって「大福の餡」という枠におさまっている。
 
 参考程度に、実食によるグレード判定。ツナの身は非常に細かく、液切りも徹底されていた。業務用なら シーチキンLフレーク (80)、民生品ならシーチキンSmileLフレークをさらに細かく砕くとこれになると思う。口当たり的にシーチキンフレーク(ホワイトミート)は違うと思う。75%くらいの自信でシーチキンLフレーク(80)と答えよう…
 
 大企業の看板を背負ったツナスイーツとして、一定以上の完成度を誇る。完売を繰り返してるし、テストベッドとしては成功してると思う。
 ただし、独特の味がするので「これはシーチキン大福だ」と言わないで食べさせてしまうと、食べた相手がフリーズする可能性もある。

☆各種評価


・グレード 【N/A】 #缶詰じゃない 評定不可
・価格   ★★★☆☆ 2.8 #150円/袋
・味覚評価 ★★★☆☆ 3.2 #ツナをスイーツに落とし込んで及第点
・入手性  【N/A】 #期間限定・1店舗タイアップ 評定不可
・原産国  国産

☆スペック


内容量 --g
--kcal/缶 食塩相当量--g
原材料 米(新潟県産)、まぐろ油漬、麦芽糖、大豆、いんげん豆、粉飴、寒天、こしょう、フェンネル、トレハロース、加工でん粉、増粘多糖類、卵殻カルシウム、乳化剤、調味料(アミノ酸等)
(原材料に大豆を含む)(製造工場は乳製品・小麦を含む製品を製品を生産しています)
JAN:なし  製造固有記号なし
製造所 株式会社田子の月(静岡県富士市今泉380-1)
zu-mix review No.X20190726



突然のプロモーション


わたくし長井が執筆した、ツナ缶ブログのスピンオフでツナ缶戦前戦中史の解説+ツナパウチ本の「ツナ缶の薄い本 zu-mix vol.5」を、8/11夏コミ(委託)+8/10大崎おもしろ同人誌バザールプチで頒布します

・【新刊】2019夏頒布、1929~1950年のツナ缶黄金時代から戦後にかけてと、ツナパウチ(ツナ袋)の生存理論を考察した同人誌
「ツナ缶の薄い本 zu-mix vol.5(物理書籍)」¥600
https://zumix.booth.pm/items/1466818

・2019春頒布、ツナ缶ブログの副読本としてツナ缶の基礎知識をめっちゃ砕き自由研究に使えるレベルまでデフォルメした同人誌
「かんたん! たのしい ツナ缶入門」¥334
https://zumix.booth.pm/items/1231722

8/7予約注文分までは新刊封切と同じ8/10に間に合うよう発送します
ぜひお試しください


#Xナンバー #はごろもフーズ #哲学 #気合の入ったツナ缶レビュー #油漬

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日本一高い5千円ツナ缶…モンマルシェ オーシャンプリンセス 鮪とろ【ブラックレーベル】最速実食レビュー

スレッド
モンマルシェ オーシャンプリン...

モンマルシェ オーシャンプリンセス 鮪とろ
MAGURO-TORO BLACK LABEL
【ブラックレーベル】

びんながまぐろトロ肉オリーブオイル漬けスライス
美術品

"Collaboration with Premium Ex...
"Collaboration with Premium Extra Virgin Olive Oil and
Only 1% of whole Albacore."

孤高の頂へ


 高いツナ缶に定評のあるモンマルシェが2018年のいいツナの日合わせにリリースした、厳選したとろ肉をブラックレーベル・オリーブオイルに漬けたツナ缶。
 モンマルシェの企業哲学「究極のツナ缶」を、何ら妥協せず体現し、ソフトとハードの両面で究極に達した結果、孤高の頂へ上りつめた。

 思えば、1,296円・日本一高いツナ缶の座に立った鮪とろ(No.48)から、2年にわたり力をためていたのだ。今夏に同社のK氏から「鮪とろを超える鮪とろを作る」とアナウンスされ、その情報をこの日まで伏せつつ心待ちにしていた。
 本稿を執筆したのは11月中旬だが、21日にプレスリリース・ティザーサイトが発表され、そこでモンマルシェが本気を出してブラックレーベルの威容を解説してくれた。ツナ缶ブログは、初見の感動をお届けするため本稿をなるべく改編せずに公開させていただく。

 ブラックレーベル──名前からして、ケイブの難解なSTGを思い浮かべるかもしれない。筆者も同じだ。この名前に込めた想いを、ゆっくり読み解いていく。

(4000文字くらいあります)

ツナ缶の常識を置き去ったプロダクトデザイン


 こんな偉容だし、語らない、飾らない方がかっこいいのかもしれないが、ここはツナ缶ブログ。知りうる限りの製品情報を書いておいたほうが誰かの役に立つし、どこをこだわってたほうが知ってたほうが読者も美味しくいただけると思う。
 K氏から鮪とろブラックレーベルの秘密について執筆許可をもらっているので、どんな点でこだわり過ぎたのか記しておきたい。

厳選に厳選を重ねたびんながまぐろ


 もともと前作鮪とろは ”びんながまぐろのトロ肉の、かたまりに使えるきれいなところ” を選んで切り出し、缶に詰めていた。
 そのため製造元のミヤカンが「苦労に苦労を重ねた」と回顧するほど歩留まりが悪く、1尾で1缶しか作れないと言われるようになった。そして、これがやわらかすぎないしっかりした食感を生み出していた。

 鮪とろブラックレーベルは、この前作で使っていたトロ肉を更に ”長年の経験より職人が見極め、良質なとろのみ” を選り分け、缶に詰めている。生身の魚だから、トロ肉にも最高・並・NGといった格付けがある。
 この中で、最高グレード「蒸したあと、切り分けた時に身崩れしてない身」だけを選び出し、3人しかいないとされる職人が缶に詰めた。具体的な歩留まりの悪さは公表されていないが、前作がビンナガの魚体から1%しか作れず、1尾1缶とされている中「月産50缶を目指す」旨がプレスリリースに記載された。ツナ缶の生産量とは思えない極小ロットだ。
 原材料まぐろについては、目利きの専属バイヤー三浦氏がビンナガを選び、それを気仙沼港から程近いミヤカンの工場で捌き、トロ肉を取り出して切りそろえ、ブラックレーベルのみの選別を加えた。
 マグロに妥協はない。妥協のなさが値段にはね返ってきてる。

高すぎてツナ缶に使えなかったオリーブオイルを注液した


 国内では感動オリーブオイルと呼ばれるスペインの「エルドラード・ブラックレーベル」を使っている。エルドラード社の広いオリーブ圃場の中で25%だけ、1時間以内に搾油したものがブラックレーベルとなる。
 シェフから指名買いされることも多く、オリーブジャパンという賞を何度も取っているそうだ。
 勿論これを国産ツナ缶で使うのは初の快挙である。ただ、これを採用して製品化するのは一筋縄じゃいかなかった。
 
 製品のツナ缶における油は、一斗缶など缶に入ったものを注液ラインに流して使う。筆者は「瓶のオリーブオイルをそのままラインに流したらいいのでは?」と思っていたのだが、ISOの観点で(破片が混入する可能性があるため)瓶を使うのはNGとなっていることを知った。
 しかし、缶というパッケージに縛られたまま高級なオリーブオイルの高級さを上げていくのは限界がある。

 では、それをどうやって解決したか……モンマルシェが瓶から缶に詰め替えたのだ。詰め替えたあとにミヤカンの工場に搬入したら破片問題はクリアである。工場とは別個の企業”販売者”にしかできない芸当をやってのけた。勿論これにもコストがかかるが、高級品をこえる高級品だからこそ実現したのだろう。
 これによりエルドラード・ブラックレーベルを注液できるようになり、前節の量産品とは思えないビンナガへの職人技と組み合わせ、製品開発者の夢想した「究極のツナ缶」の中身が完成した。

中身に負けないパッケージデザイン


 こんなにハード面で頑張ったとしても、パッケージが前作の色違い程度では見劣りしてしまう。前作で得た高級なパッケージデザインの知見をもとに、パッケージデザインというソフト面でも徹底的に高級感を求めた。
 その結果、ブランド時計のような箱と専用の紙袋におさまり、製品名を英語にして黒色グロスのエンボス加工で書いてきた。

 前作が箔押し、今回は黒色グロス。その黒さを写真に撮るのは難しく、撮るのにiPhone使うの諦めたくらい苦労した。
 手に取った時の重量感は十分な威容を感じさせる。もちろん、箱の中も、缶に巻かれたラベルも妥協はない。パッケージの過剰具合はWebページでも確認できるが、実物をほどくとまた別の感動が得られるだろう。

  
"Have you ever had such an experience
as you were deeply impressed by a great live preformance?
We would like to impress you in the same way
through your meal with our products."
素晴らしいライブを見たときに経験するような、本物の感動を知っていますか?
五感全てで感じる本物の感動を、食を通してあなたに届けたい



でもお高いんでしょう?


 お値段は税込5,400円/缶。
 各所から非常識な高さといわれた鮪とろの5倍近い値を付けた。
 
 ワインでいえば超弩級の高級品に相当するグレードのツナ缶を、この値段で食べられることを高いと思うか安いと思うかは読者に委ねよう。
 筆者個人の意見としては……製品開発における原材料調達ルートを確保するまでにかかった手間、厳選に厳選を重ねたビンナガのトロ肉だけを使う歩留まりの悪さ。
 こだわり過ぎてツナ缶に求められる生産性と完全に相反したハード面の設計を、意地でもツナ缶の体裁で作ったこと。そして

「モンマルシェ自身で鮪とろを超える製品を作り上げた」こと。

そして、90gで367kcalというカロリーの高さが、液汁で油を薄めていないことを示していること。確かにツナ缶1缶の値段ではないのだが、自腹で買う決心はついた。

 今日の9時半になればモンマルシェ通販でも清水本店でも静岡駅パルシェ店でも買えるようになるはずだ。はずだ。
 2018.8製造製造の超初期ロットを紹介する。これが手に入り、最速でレビューが書けるのは、ツナ缶ブログ5周年・127(いいツナ)個目という徳の高さもあったのだろう。なお、実際の製品は品質保証カードのほか缶ふたに黒いシールが貼られ、品質保証の責任者による手書きのシリアルナンバーが入る。開けてすぐ食べられるよう小さな竹串も入っている。






 このさきには_________
 暴価的で___________
 常軌を逸した_________
 ツナ缶が___________
 あなたをまっています。____
 それでも開缶しますか?____

  ⊂はい⊃   いいえ_____










缶を開けたところ


 

 息が詰まった。



 とろ肉として、常軌を逸した厚さ。並ぶ身の美しさ。



通常とろ肉のツナ缶(特に丸い缶に入ってるもの)は、身崩れ防止のために肉詰め工程で出た小さな身や大きな身を詰めるのが一般的だが、本品は缶の大きさに合わせてまっすぐ切られたものだけが、何の狂いもほころびもなく詰められている
 前作よりローレルの葉は小さく切られているが、これで香味の強さを調整している。

 ブラックレーベルというオリーブオイルの出す果実味は、ライムめいた柑橘系を思わせる。ブランドバリューに甘えることなく、ツナとの調和も十全に考慮されている。
 他社のオリーブオイル自慢な高級品がオリーブオイルの品質と香りに寄っかかってツナの味を両立できていないものが殆どだった(バランス取れてるのは由比缶のアレや三洋食品の新オリーブオイルツナくらいだった)。

 本品は、ツナとの主従関係を作らず、平等な位置に立った。一口食べて筆者は「よくこのオリーブオイルを見つけられたな」と思った。これを使いたいがために瓶から缶に移したのも納得がいく。

 見た目に美しく、とろ肉のしっとりさとオリーブオイルの果実味をうまくバランス取りした味の良さ。前作で不完全だった・及ばなかった部分を、円熟によって克服した。




 ツナ缶における裏ボスが君臨した。してしまった。
 その衝撃はあまりにも大きすぎた。ワンオフならともかく、製品でこれを作ってしまったのは正直言って常軌を逸している(誉め言葉)。
 思えば国産ツナ缶は対米輸出の歴史から始まり、彼の国で鶏肉の代替として使われた。それが戦後内販にシフトしたものの、一世紀弱の間庶民食であり、ワインのように高級品が市民権を得始めたのは2010年頃からだった。

 モンマルシェの源流となったSSKも、89年の歴史で一度もツナ缶内販のトップに立てないまま規模を縮小し続けているが、高級品トップの夢が現実味を帯び始めている。SSKと同じ鈴与グループのモンマルシェが高級ツナ缶ブームの持続とともに1ブランドとして力をつけ、ついに「他社には(あらゆる意味で)真似できない」次元の超弩級ツナ缶を製品化できたことは缶詰史においても特筆に値するだろう。
 個人的な趣味でツナ缶を研究してるさなか、リアルタイムでこの新発売を体験できたことは大変喜ばしい。

 入手性も……悪くはない。ただ、前作みたいに需要>供給になりそうな予感がする。生産量は月50缶を目標にすることが明かされているし、一度バックオーダーになると数か月ほど入手できないことが予想される。
 特別な人へのご挨拶で失敗が許されないときや、特別なお祝い事のために使うことをおすすめしたい。もちろん、興味本位で試すのもアリだ。筆者が1ツナ缶を4000文字近くにわたり熱弁した理由が一口でおわかり頂けるだろう。

 11月27日の封切に間に合わせるため、提供されたサンプルをもとにレビューを執筆した。
 発売のアナウンスと共に本品を提供していただいたモンマルシェのK氏に、この場を借り改めて御礼申し上げたい。

 なお、前作鮪とろの例にもれず、自腹できちんと買った。



 「5千円で何ができる」
 「ツナ缶が1つ買える」

(私見だが、たぶん「5000円のツナ缶を作った魂(スピリット)たち」みたいな伝記を出版したら、たちどころにベストセラーなると思う。私見だよ?)



☆各種評価


・グレード ★★★★★★ 6.0
・価格   【 極 高 鮪 缶 】54.0 #5,400円/個
・味覚評価 ★★★★★★ 6.0 #前作の不完全さを円熟させた
・入手性  ★★☆☆☆☆1.5 #公式通販、静岡駅パルシェの直営店など
・原産国  国産

☆スペック
内容量 90g
367kcal/缶 食塩相当量0.7g
原材料 びん長まぐろ、オリーブ油、食塩、ローレルの葉
JAN:なし 製造固有記号AC0Y
販売者 モンマルシェ株式会社(静岡県静岡市清水区本町1-7) 製品ページ
Tuna canning review No.127

■参考資料
「清水生まれのマグロ缶詰50歳」真杉高之 缶詰時報1981.1
「SSKの50年」清水食品株式会社 1980.5

■「ツナ缶スーパーリンク!」



(No.48)モンマルシェ オーシャンプリンセス鮪とろ

→1,296円。元・日本一高いツナ缶。これが消費者に受け入れられ一定の成功をおさめなければ、ブラックレーベルが生まれることもなかっただろう。
今も特別な贈り物のツナ缶として十分な存在感を放っている。

(No.70)クレアテーブル オリーブオイルと夏びんながまぐろ

→626円。オリーブオイルが強烈なツナ缶として、たびたび鮪とろの比較対象にしている。こっちは由比缶詰所のOEM。
今は自社開発のオリーブオイルでツナ缶としてのトータルデザインも整えている。

(No.118)由比缶詰所 炙りビントロ(2017)

→540円。由比缶詰所の名門、ホワイトシップの最高級ツナ缶。ついに味覚評価でモンマルシェが並んできた。1/10の価格で実直な職人の技を堪能できる点にコストパフォーマンスを感じるか、その生産性の悪さ故に門外不出となっている点をデメリットとみるか。
#びんながまぐろ #めずらしいツナ缶 #オリーブオイル漬 #モンマルシェ #気合の入ったツナ缶レビュー #缶つま

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由比缶詰所 ホワイトシップ印・炙りビントロ(2017)1年寝かせたレビュー書下ろし

スレッド
“びん長鮪のハラモ肉を軽く『炙...
“びん長鮪のハラモ肉を軽く『炙り』、一枚一枚丁寧に手作業ではがしたものを、その香ばしさと共に閉じ込めました。単品ではもちろん、パスタやサラダのトッピングとしてもお使いいただけます。”


由比缶詰所 ホワイトシップ印
炙りビントロ(2017産)
びんながまぐろトロ肉オリーブオイル漬スライス
最高級品

由比缶詰所 ホワイトシップ印・... 由比缶詰所 ホワイトシップ印・...

創業85年の老舗が紡ぐ伝説のツナ缶


 由比缶詰所のフラッグシップ、「炙りビントロ」。ツナ缶ブログの愛読者には説明不要のレジェンドだが、改めて一から解説する。

 「入手性を無視して、長井さんが最高と思うツナ缶は何ですか?」への答え。
 ビンナガの身を炙り、それを一つ一つ剥がし詰め、オリーブオイルに漬けたツナ缶。

 そのグレードはツナ缶ブログの5.0点評価を覆す6.0点。炙ったビンナガの身を崩さずにはがして詰める職人技は、缶詰会社の求めた最高のツナ缶といえる。2013との相違点で、2016年からモンマルシェが1296円のツナ缶を出し始めたが、「かたまりのまま詰める技術」と「炙ったビンナガの身を崩さずにはがして詰める技術」は全く別のベクトルにあり、これらの量産はどちらも他社が簡単に真似できるものではない。モンマルシェがデザインや情報と味のトータルバランスで最高級を目指したのが、由比缶詰所はただ味の一点勝負だけで最高級を作り出したのだ。
 その味はツナ缶ブログの5.0点評価を覆す6.0点。味で5点満点を超える規格外ツナ缶は片手の指で数えられるだけしかなく、6.0点は2013年からツナ缶ブログでもっとも高いスコアになっている。
 その入手性はツナ缶ブログ評点ギリギリ最低の0.1点。公式の通販では買えない。由比にある直売所に行かないと買えず、ツナ缶求道者か地元民しかその味を知ることは不可能な、門外不出の味を堅持している。2014年頃まではお得意様向けの通販で購入できたのだが、ここ数年はずっと直売所限定となっている。通年購入できるツナ缶の中ではこれが最も入手しづらいツナ缶だ。

 新陳代謝の激しくなるツナ缶業界だが、これ以上に伝説のツナ缶という二つ名の似合う製品は未だ現れていない。
 同価格帯のTVSEきはだとろ炙り(No.68)やシーチキンとろはグレードも味も勝負にならない。価格と中身で最高級を獲りに来たモンマルシェ鮪とろ(No.48)も、正直炙りビントロに及ばない味というのが感想だ。山梨罐詰の鮪のトロ醤油味はキハダ使用という点で単純比較が困難。

筆者が炙りビントロに寄せる思い


 公開日の本日10月10日は「缶詰の日」で、「まぐろの日」だ。およそ1世紀以上前、初めて官製缶詰(鮭缶)の量産に成功したと記録されているのが1877年10月10日だから、缶詰協会が缶詰の日にした。まぐろの日については、726年に百人一首の歌人の一人・山部赤人が明石で鮪についての歌を奏上したのが10月10日だからまぐろの日になった
 缶詰の日でまぐろの日──実質ツナ缶の日といえるこの日に、筆者は生を受けた。ツナ缶の知見を深めるなんて縁もゆかりもなかった少年時代と学生時代を送ったのに、社会人となってから突然変異めいてツナ缶の蒐集に目覚めたことと、実質ツナ缶の日に生まれたのは、何かの因縁なのだろうか……
 筆者がツナ缶を勉強しだしたのはせいぜい5年くらいしか経ってないが、その5年前に筆者を変えたツナ缶がある。それが由比缶詰所の「まぐろフレーク油漬(水色)」と「炙りビントロ(2013)」である。前者でツナ缶に深淵があると知った筆者を、後者は容赦なく沼の底に近い所へ突き落とした。以後、何をしても三日坊主になるような性格を無視して、5年弱も「ツナ缶のことだけを延々と書いたブログ」を運用し続けることになると、当時は思わなかっただろう。なんのマネタイズもせず、ただ趣味だけで。
 この5年間にもツナ缶にまつわる情勢は変わっているが、国内主要ツナ缶製造会社のうち由比缶詰所だけが5年間のうちにツナ缶の新規プロダクトを出さなかった。そのくらい既存の自社製品に磨きをかけている、あるいは極めて保守的な会社がこの二つということだろう。

 自分の誕生祝いくらい、特別なツナ缶を開けたい。そこでこれを持ってきたわけだ。
 炙りビントロは年を変えるごとに、その年のビンナガの脂乗りなどで味が微妙に変わる。そのため、各年製造ロット分ごとにツナ缶レビューを書いている。
 なお、2017ロットを今開けているのは、メーカ側が十分な熟成を進めるため翌年春~夏ごろになるまで前年ロットを解禁しない(2018秋に買えるのは、今年夏に解禁された2017ロット)という事情によるもの。2017.10製造。ちょうど1年熟成されている。

缶を開けたところ


  
 美しい。
 ひいき目かもしれないが、誠に美しく詰められている。それぞれ一度はがされた身でありながら、一つたりとも崩れていない。筆者はこの身を一枚一枚ゆっくり分離させて食べるのが好きだ。
  
 身はやわらかく、食べても身が崩れてこない。しっかりした食感を楽しめる。下味は相変わらず薄く、調味料とも喧嘩しにくい。由比缶詰所の他オリーブオイル漬で使われているのと同じ油で、強い香りはなくサラサラしている。存在感の主従関係はしっかりまぐろ>油となっていて、鮪とろ(No.48)のようにオリーブオイルを全面的に押し出してエレガントさを演出したものと全く異なる性格に仕上がっている。同じ超高級品の次元だが、手に入れたキャラは全く異なっている。
 2013産と比べより炙り目が薄く、焦げるような香りは引っ込んでいる。
 
 味という面で、これの右に並ぶツナ缶はいまのところないと思う。5年間、百数十種のツナ缶を食べても尚、結論は変わらなかった。
 
 
 たとえ今後のツナ缶が、情報を食う時勢になったとしても。
 たとえ今後のツナ缶が、高級品と廉価品の二極化になったとしても。
 
 本品には、毎年変わらず「伝説のツナ缶」であってほしいという、”私”の思いを載せて、筆を置くこととする。

各種スペック



・グレード ★★★★★★ 6.0
・価格   ★★★★★☆ 5.4 #540円/個(直売所)
・味覚評価 ★★★★★★ 6.0 #レジェンドはレジェンドのまま
・入手性  ★☆☆☆☆☆ 0.1 #直売所限定
・原産国  国産

内容量80g 322kcal/缶 食塩相当量0.5g
原材料 びん長まぐろ(国産)、オリーブ油、食塩
JAN:なし 製造固有記号IM
製造者 株式会社由比缶詰所(静岡市清水区由比429-1)
Tuna canning review No.118

■「ツナ缶スーパーリンク!!」



(No.03)炙りビントロ(2013産)

→5年前に書いた、2013年産炙りビントロの記事。これを立ち上げたばかりのブログの3記事目にもってきてて、ああこの時期から道を踏み外してたんだなと思った。しかも書いてることはあんまり変わってない。当時の値段は☆6評価だけど、今はこれより高いツナ缶たくさんあるため2017産は5.4に改定。

(No.11)まぐろ油漬フレーク(綿実油)

→”筆者をこの道に引き込んだ其の製品”。ホワイトシップ印復活の当初からラインナップされてる。水色の油漬フレーク(綿実油)は地元民に強く支持されてる不朽の名作。シーチキンLフレークがライトミート製品の基準点なら、油漬フレーク(綿実油)がホワイトミート製品の基準点。

(No.68)トップバリュセレクト きはだまぐろとろ炙り
→槍玉1号。販売価格はほぼ同じだが、こっちは流通コストも上乗せされてる。同価でこっちがグレード劣るのは仕方ない。イオンで売ってる。

(No.48)オーシャンプリンセス鮪とろ
→槍玉2号。1296円。こっちは全国流通を目的にしたお取り寄せブランドのモンマルシェだ。ローレルや高級オリーブオイルなど、香りづけが強い。トータルデザインで高級品。炙りビントロが静岡生まれの最高級なら、こっちは(今のところ)気仙沼生まれの最高級といえるだろう。
#めずらしいツナ缶 #オリーブオイル漬 #気合の入ったツナ缶レビュー #由比缶詰所

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三洋食品 プリンス・きはだまぐろ油漬けフレークを食べたレビュー

スレッド
三洋食品 プリンス・きはだまぐ...


三洋食品 プリンス・きはだまぐろ油漬けフレーク
きはだまぐろ綿実油漬フレーク・廉価品

"赤缶の調味料はそのまま、お魚はさっぱり味のキハダマグロです。"

(2019.7追記:2019夏季から正式パッケージのキハダマグロ油漬フレーク(インスタ)に昇格。中身は同じだが、見た目と価格が変更された(白缶→印刷缶、100円→130円)。本記事掲載内容は2018.6のキハダマグロ油漬フレークが白缶だったころの解説である)

 

徹底的なコストダウンで驚異のスペックを実現したツナ缶


 ツナ缶の、そして自社ブランド缶の歴史が長い三洋食品。伝統を守りながらも2017末~2018上半期は立て続けに新製品を輩出しており、
 ・デュカ&ギー、バジル、トンナート
 ・(本記事)プリンス きはだまぐろ缶
 ・リエッツナシリーズ(ケッパー、チーズ、アーモンド)
 と、1社で7品目という怒涛のペースだ。リエッツナは販路を広げる予定とされているが、生まれたばかりの製品で現状目立った動きは確認されていない。

 そして、今回取り上げる「きはだまぐろ油漬けフレーク(カタログ名:無印キハダツナ缶)」は、直売所・自社通販のみを販路として、日常的に三洋食品のプリンス赤缶(No.69)を補給するヘビーユーザー向けのツナ缶となっている。自社通販では24入・48入から購入できる。
 原材料まぐろを赤缶のビンナガからキハダに変えた「のみ」でコストダウンを図っているが、明らかに単価がおかしい。
 
 

綿実油漬で税込100円なのだ。


 
 前代未聞である。もともとプリンス赤缶が仕切り同然の単価(145円/缶)で、そこから原材料まぐろを変えれば確かにこのくらいの金額にはなりそうだが、1缶100円は一般的なきはだまぐろ+大豆油ツナ缶(国産)の中央値に近い。油漬缶は液汁のほとんどが油だから、綿実油と大豆油を比較すると1缶あたりの単価がけっこう開く。
 なぜこんな芸当ができたか。そのヒントとして「簡素なパッケージ」が挙げられる。

 製品は何も印刷・ラベルのない白缶で、法律上必要な原材料や栄養成分などの一括表示は外袋や箱にラベルで貼ってある。トンナート風などに貼られているのと同じP4号缶の天面に合わせた丸いラベルだ。24缶それぞれに貼るのと外袋に1つ貼るのとでは、単純計算で貼るコストも印刷費も1/24になる。ラベルの印刷費はスケールメリットが効きやすいとはいえ、軽視できない。ターゲットがヘビーユーザーとするなら、白缶でも何ら差し支えないと個人的に思う。
 このパッケージの簡素化とまぐろ変更、販路を自社オンリーにすることによって、綿実油漬ながら税込100円での販売を可能としたのではないだろうか。品質に妥協せずコストを下げるという命題を、まとめ売りで個包装の印刷を省くというコロンブスの卵的発想で克服した。2018.2製造。

☆缶を開けたところ


  
 見た目は一般的なキハダ製品とほとんど同じ。味も赤缶と大差ないし、塩味の強さも同様。
 正味何が違うのか…と聞かれたら、「魚が違う」としか答えようがない。そのくらい味は整っている。綿実油のしっとりさに輪をかけてキハダ由来のしっとりさが重なっているため、塩気も含めてソフトなディティールとなっている。塩のトガリとの向き合い方で山梨罐詰の油漬フレーク(No.64)と対極をなしているように思う。
 ビンナガと比べ相応に身が固い。チャーハンのような火力のある料理との相性が期待できる。
 
 さすが固定ファン向けの製品といったところか。お値段以上のコストパフォーマンスも見逃せない。
 


☆各種評価
・グレード ★★★★☆ 3.5
・価格   ★☆☆☆☆ 1.7 #100円/個 綿実油最安
・味覚評価 ★★★☆☆ 3.8 #お値段以上(2019現在終売)
・入手性  ★☆☆☆☆0.3 #直売所限定
・原産国  国産

☆スペック
内容量 70g
225kcal/缶 食塩相当量0.5g
原材料 きはだまぐろ、綿実油、食塩、野菜エキス、調味料(アミノ酸等)
JAN:なし 製造固有記号キハダ
製造者 三洋食品株式会社(静岡県焼津市焼津5-7-3)
Tuna canning review No.108
#きはだまぐろ #めずらしいツナ缶 #三洋食品 #気合の入ったツナ缶レビュー #綿実油漬

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