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詩は元気です ☆ 齋藤純二

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揺れて流され

スレッド
寒かった不安は
すでに背に汗が流れる

曇ったガラスの向こうに
風だけが生きています
触ることのできない
知っている感覚に少し苛立って
ため息なんて吐き出しています

この揺れはどこへ行くのでしょう
本人がわかっていないのだから
笑い話しにもなりません

右耳のイヤホンが抜けてしまい
周りの人たちの潰された胸から出る
うなり声が漏れて聞こえてきます
同じ落胆は落ちて足もとを重たくし
振動に弱い身体になります

私は誰でどこへ行くのでしょう
何も解りたくない気持ちは
ドアの向こうで響く靴音に怯え
立ち止まってしまうだろう

見たいモノがないというのは
とても辛いことであります

#詩

ワオ!と言っているユーザー

揺れて流され

スレッド
寒かった不安は
汗として背を流れました

曇ったガラスの向こうに
風だけが生きています
触ることのできない
知っている感覚に少し苛立って
ため息なんて吐き出しています

この揺れはどこへ行くのでしょう
本人がわかっていないのだから
笑い話しにもなりません

右耳のイヤホンが抜けてしまい
周りの人たちの潰された胸から出る
うなり声が漏れて聞こえてきます
同じ落胆は落ちて足もとを重たくし
振動に弱い身体になります

私は誰でどこへ行くのでしょう
何も解りたくない気持ちは
ドアの向こうで響く靴音に怯え
立ち止まってしまうだろう

見たいモノがないというのは
とても辛いことであります

#詩

ワオ!と言っているユーザー

#2・26事件詩

スレッド
学童保育でアルバイトをしていた時
勉強、運動ができる一年生の男の子が
学童への道のり仲間の僻みに袋叩きを受けた

悔し涙で膝を抱えた

次の日、ガキ大将を待ち伏せ
叩き返し泥だらけで学童へ帰って来た

拳は勇気と正義で握られていた

#詩

ワオ!と言っているユーザー

未魂体

スレッド
抜け殻に成りかけている
仰臥した空洞な身体の主幹に響いた
消えてしまう微弱な電気は
最悪を感じずに受け入れても良い、と

此処までか、此処までか

燃焼は何処まで行われたか
悔やみを朦朧に任せ流している
未だ枯渇していない精魂が彷徨う

不完全を納得するまで到達せず
痺れた感触の此の世に半分ある手を
床に突っ張り重力と痛みに

何処までか、何処までか、と

#詩

ワオ!と言っているユーザー

現在

スレッド
例えば草むらに倒れてみれば
このまま死を待つ妄想に更けて
望み進む場所への感触を手繰り寄せ
人間が抜けてゆく心は
やはり吸収される細胞の窪みに恐れ
生きていると死んでゆく共存に
妄想が覚め始める

#詩

ワオ!と言っているユーザー

やばばばいのばい

スレッド
やばばばいの
ばいのばい
このままじゃすぐに
終わっちまうよ

えっ
なにが終わるって?

そりゃ
人生しかないだろ
髪をかきあげたら
禿げてくるし
歩き出したら
腰が曲がり
家に着く頃には
地面にあごがつきそうだよ
それに
コケたら立ち上がれない
とにかく時間が
なくなってやばい

じいさんも
世のため人のために
やってきたんだろ
十分じゃないか

そんなことはない
わしは何も成していない
まだ
ぴよぴよぴよぴよの
ひよこちゃんなんだよ

笑えるじいさんだな
それで死ぬまでに
いったい何がしたいんだい?

わからんから困る
なんせ頭の中は年をとらず
身体がすぐに老ける

じいさん
それって意外と幸せって
やつかもしれないぜ
楽しい時間はあっという間に
過ぎて行くって言うし

わしは浦島太郎でないが
なんか足りていない
人生のような気がして……

おーい
帰るのかいじいさん
わりとしっかり歩けているぜ
ああ
もう聞こえてないようだな
まだなんか言っている

やばばばいの
ばいのばい
このままじゃすぐに
終わっちまうよ

やばばばいの
ばいのばい
やばばばばい……

#詩

ワオ!と言っているユーザー

#天地詩

スレッド
誰が比べているんだ

君には届かない月
泥を被った僕はすっぽん

生まれた時から
やる気を失っているのは

誰かが比べているからなのか

それとも捻くれ者なのか

そんな僕でも
美しい心が欲しいと思っている

僕の中にもある
比べる心を消しながら這って

#詩

ワオ!と言っているユーザー

反省

スレッド
初心を忘れたミス
言い訳をすればするほど
端折った業務の怠惰の露呈

頭を下げた時に
自分の中にいる神さまを初めて知る

何が大事でどうあるべきか
聞こえ始めては
過ちを素直に受け止めて

#詩

ワオ!と言っているユーザー

金魚鉢な三丁目

スレッド
どうしたの
いつもの君とは違うね

ふーん
金魚になったんだ
一点を見つめて
ゆったりと泳いでいる
その姿も悪くはないけど
突然のことで僕は開いた口が
塞がらないよ

えっ
僕も一点を見つめているって
あれっ
腰がくねくねしてきた

あれれあれれ
金魚になったのか

なっちまったようだ
人間さよならってことなのか
こんな日が来るとは……

しかし狭い世界だね
そして僕らは
水槽から出られないのか……

ああ
この運命を受け入れよう
君と一緒だから大丈夫だよね

おいおい
向こうから黒マントの金魚が来るぞ
でかい目をして大きな図体
ありゃ間違いなくボスだ
怖いから知らんぷりをしよう

誰かが僕らを覗いている
とんとんと
ガラスを叩いているけど
なんだろうねあれっ
こっちはストレスが溜まるんだよ
やめてほしいなあ

おお
その少女も一点を見つめているぞ
ああ
口も開いた
もうじきこっちへ来そうだな

ようこそ金魚の街へ
仲良くやって行きましょう

そんなに悲しい目をしないで
お話をしましょう

そうそう
黒マントには気をつけた方がいい
どうやら奴がボスのようだから

ほらほら
また人間がこっちを覗いているぞ

ようこそ金魚の街へ

#詩

ワオ!と言っているユーザー

まるん 5

スレッド
へへっ
へへっへっ

たぶんそれっ
ヘっヘっ

さたでーもーにんぐ
聴いているよ

雑務を
丸テーブル載せ

へへっ
いえっいえっ

たぶんそれっ
いええっ

瞳は
丸テーブルに反射させ

進むよ進むよ
さらさらへへっ

締め切りを
丸テーブルに載せ

たぶんそれっ
いえっいえっいえっ

へっへっ
じゃすとふぃーりんぐ

#詩

ワオ!と言っているユーザー

#バレンタイン詩

スレッド
おはよう

チョコ、どうぞ

昨夜からの
コンビニバイトの若い兄ちゃんと
早朝に挨拶を交わす
赤髪の兄ちゃんは二年くらい
二日に一回ほど働いている
なかなか出来ないことだ
大学生かバンドをやっているのか
いつも明るく元気をもらう

レジ袋にチョコがふた粒
ありがとうと揺れて

#詩

ワオ!と言っているユーザー

大寒

スレッド
ずいぶんと若さも
なくなった気がする

この寒さの中に
放り出されたままなら
すぐにでも死に絶えそうだ

しがみついて生きている
まだ自分の存在に
他者からの存在に

ひとりの存在ならば
寒いとも思わないだろう
すぐにを望むだろう

それでいいんですか
そんな言葉などは
吐く息のように消えるだろう

まだ温もりを求めている
寒さを感じるほどに
生きている足音が響く

寒い寒い寒い寒い



#詩

ワオ!と言っているユーザー

遅すぎた街

スレッド
静かな静かな静かな街で
ひとり哀しい心が歩いている

望んでいたのかもしれない
望んでいなかったのかもしれない
もう忘れてしまった始まりに
降り始めている寂しさに哀しい

賑やかな賑やかな賑やかな街で
僕は汗をかき走っていた

振り返ることなど知らずに
大事にしていたのは無邪気とか無能
そのまま進めたのなら
孤独なんて寄せつけなかっただろう

馬鹿のままでは居られない
その気づきの震え
静かな静かな静かな街で
ひとり哀しい心が歩いている

#詩

ワオ!と言っているユーザー

#福詩

スレッド
天から手がずるずると伸びて来て
布団の中にいる私の首と腰を撫でていった
なんとも温かくやさしい手

もう歩くことなど出来ないと思っていたが
あの日から痛みが溶け出して
身体が動きだした

確かあれは手術して一週間後のこと
よく知っている手の感触だった

#詩

ワオ!と言っているユーザー

#笑顔詩

スレッド
空から落ちてくる哀しみ
受け止める傘など役に立たず

空から落ちてくる哀しみ
君が居ないというのに
紛れ落ちてくる君の笑顔

落ちてくる哀しみと君の笑顔

#詩

ワオ!と言っているユーザー

情緒上乗

スレッド
月曜の通勤時間だというのに
朝から詩なんか書いて
涙を流しているんだから
今週、大丈夫か自分

ああ、かっこ悪いから
指で拭ってみると
そんなにきれいな涙ではなく
だんだん哀しさに冷め
今度は微笑んでいるんだから
今週、大丈夫か自分

たぶん大丈夫
きっと大丈夫さ

今まで根拠のない自信に
助けられて生きてきた訳だし
このスタイルは変えられない
もしかしたら
これが自分の強さなのかも
そう思い込める馬鹿さを

ずっと、ずっと、そのままで

#詩

ワオ!と言っているユーザー

十三回忌

スレッド
余命も知らず
君が逝ってしまったことを
どうしてなんだよ
と、今でも言いたい
私がただ自分の気持ちばかり
考えているからだろう
けれど、どうしても
君の優しさは友として
納得できていない
そして、君にとって私が友でないという
馬鹿なことを考えたりする
おい、なんとか言ってくれよ

#詩

ワオ!と言っているユーザー

距離

スレッド
自分が可愛いという体裁の言葉を
あなたから投げ掛けられた気がして
それをどうやって優しさだと思い込み
聞けば良いのだろうか

本音を全て向けられて
あなたとの社会が壊れてしまう方が
もしかしたらスッキリと生きられるかもしれない

しかしそれほど自分が強くもないのだから
切れるわけもなく変わることもなく
羽織っているのは薄っぺらな衣の重ね着
そしてあなたも同じ格好で立っている

#詩

ワオ!と言っているユーザー

#ニオイ詩

スレッド
その記憶はいいイメージだ
公共の場であのニオイを嗅ぐことがある
もう五十年近く前のことだが
誘う記憶から幼稚園児だった頃にあった不安定の中
安心に触れるような空気感が蘇る
淡く甘い懐かしいニオイの元は探らない
名も知らないニオイと顔の思い出さない先生でいい
先生のいいニオイ

#詩

ワオ!と言っているユーザー

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