白い液体が血管に流れる 身体にピリピリとした微弱の電気を 感じたあとに意識はなくなる 覚醒すれば開創された痛み 何事もなかったような術中の代償 しかし鎮痛剤を自己投与も出来る時代 ポンプのボタンを適宜自分で押せば和らぐ痛み 麻酔の進歩を有り難く思う
休日の朝方には 固まる精神、固まる身体 何を弱気なっているのか 平日の踏ん張りが緩み 自信も思いやりも昨日の夜に 消された重力を感じている この怖さはいったい何だろう 失うのは自己満足くらいなのに 無気力になっていく変化に 驚き浮き上がれない萎んだ風船 これで終わってしまってもいい そう思えるのは疲れなのか 諦めなのか、十分なのだろうか 薄明るいガラスの色は時計 出来ることなら時間が止まれば 不安を解消しないで済む 永遠のモラトリアムになり 包まっていられればそれでいい 今がずっと今であるように 次なる刺激は消えてなくなり 再び目を閉じてみれば そこは濃厚な自分らしさの卑屈