一ヶ月が経った。 バタバタしているだろうから、無礼は承知の上で、あえて挨拶にも用事にも寄り付かないようにしていた。 久しぶりに訪れてみると、会社は何も変わらないのに、居るべき人がやはり居ない。 電池替えたら、また動き出すような人だった。 昨年の最終戦に、表彰式へしんどい身体をおして現れたのを見て、あっしは恥ずかしくも泣き崩れてしまった。 それと同時に、ああ、これが本当の最後なのだ、二度と会う事は無いのだ。 と、腹をくくった。 ただただ現実が受け入れ難く、そこに居ない事が不思議なのだ。