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牧師、バイカー、鮨職人として。。。シェア from LA  第7話

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牧師、バイカー、鮨職人として。...

第7話「トム、そして茂子さん」

その後、ドーソンの紹介で彼のクリスチャン友だちである日系3世のトム・オオシタさん(当時65歳)に会った。彼のお母さんであるシゲコ・オオシタ(大下茂子)さんが84歳で痴呆症を患い、おまけに足が悪いので施設に入院中で、まだ救われていないと言う。トムさんが伝道し始めた矢先に茂子さんは病気になり、困ったことに英語をすっかり忘れてしまい日本語しか話せなくなってしまった!実は茂子さんは、私と同じ米国生まれで日本育ち、再び米国へ戻った“帰米二世”なので、若い頃は日本語で生活していた。おかげで英語しか話せないトムさんは伝道どころか自身の母との会話が出来なくなった。

1週間後、トムと2人でLAの老舗の引退者施設「Keiro(敬老) Home」を訪れ彼女と対面。この施設は3つの部門からなり、①介護が不要な人、②割と元気だが要介護・要医療の人、③重篤で入院状態の人 に分かれており、①の人は自由に生活し、②と③の人は厳重な監視下に置かれ、茂子さんは②だった。自殺や事故防止のためか小さな窓が天井近くに一つだけの狭く薄暗い部屋で彼女はポツリと座っていた。変な”闖入者“が来たからか予想通り彼女は怪訝な顔でボーっと私を見てる。トムに紹介されても反応なし。どうしようもない絶望感に襲われた。

かつて神学と一緒にカウンセリングも勉強したものの、当時の私は若く老人伝道や介護など全く未経験。まして20年ぶりにミニストリーに復帰したばかりの私に出来ることなど何もない。重い空気が流れ、トムは横で刺すような目で私を睨んでる。こんな若造に何が出来るかと言わんばかりに。私は心の中で神さまに「タスケテー!」と叫びつつ、「四つの法則」を示しながら恐る恐る福音を語り、最後に「イエスさまは茂子さんを愛してますよ。一緒にに祈りませんか」と尋ねた。すると「その話は以前トムから何となく聞いたことがある。」と意外な答えが。そして「私は教会へは行かない!」とキッパリと言った!「え?!」驚く私たちを尻目に彼女は堰を切ったように語り出した。

実は以前、彼女が二人部屋にいた時、同室の人のネックレスが無くなり、何と茂子さんが犯人にされてしまい、しかもトムさんはそれを真に受けて相手の人に弁償までしてしまったと言う。「何でそんなことしたの!私がそんなことする分けないでしょ!!」とトムさんに対し烈火のごとく怒ったが、周りの人は何もせず、自分をこの個室へ移送しただけで、それ以来、誰にも理解してもらえずいつも一人で泣いていたと言う。

そうかあ!!だから彼女は心を閉ざし、英語を話せなくなったんや!とたんにメラメラと霊の炎が私のうちに燃え出した。そして「茂子さん!良く分かったよ!今まで辛かったね!独りぼっちだったんだよね!?でも もう大丈夫だよ!ボクはあなたが盗みなんてしないことは良く分かってるよ。そしてね、何よりもイエスさまはご存じだよ!彼はね、皆に裏切られて、十字架にかかったんだよ!でもね。神さまだからよみがえったんだよ!そして皆の罪を赦してくれたんだよ!ボクの罪も茂子さんの罪も。だからもう前向いて行こうよ!イエスさまを信じましょう!」

とまあ私は彼女がちゃんと理解したのかどうかも分からないまま調子に乗ってまくしたてちゃったけど、何と「そうなの?」と彼女は聞き返してきた!「そうだよ!!じゃ 一緒にイエスさまに祈ろうね?」「はい。」え、マジで?と彼女の素直さにビックリ。共に祈った。彼女はイエスを受け入れた。喜びに包まれると同時に、私は軽率だったトムを厳しく叱責もした。奇蹟の街道が幕を開けた。

「闇の中を歩んでいた民は、大きな光を見た。
 死の陰の地に住んでいた者たちの上に、光が照った。」 
             イザヤ書9章2節       つづく。。。

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第38話 ロンドン5輪小話 「 ブルーサンダー 」

   屋根の上の地対空ミサイル、テムズ川に浮かぶヘリコプター空母。オリンピック前夜のロンドンはまさに厳戒態勢だ。第二次大戦以来と言われるその物々しい防衛体制を見て、1983年のハリウッド映画「ブルーサンダー」を思い出した。

映画のストーリーは、1984年のロス五輪に向けてのテロ対策と警備強化を名目に、カリフォルニア州当局が、陸軍と合同で秘密裏に攻撃ヘリコプター“ブルーサンダー“を開発しLAPD(ロサンゼルス市警察) に配備する、というものであった。

この武装ヘリの特徴は、防弾使用の機体を始め、赤外線暗視装置、室内の人物をカーテン越しに撮影可能なサーモグラフカメラ、飛行時のローター音を消す消音技術など色々あるが、一番の特徴は機首下部のガトリング砲の照準がパイロットの視線に連動して砲塔が追尾する”ディレクターサイト方式”となっていることである。つまり人の目線に合わせて砲が動くわけだが、驚くべきことにこれらの “未来技術” は今日では “SF” ではなく全て実現しており、前述のサイト方式も、同様の技術がゲーム機Xbox360などで見受けられる。

実に人間の持つ創造性や知恵は素晴らしく進歩するが、聖書は意外に“人間の知恵” に関しては冷静だ。

「人は暗黒の果てまでも行き、死の闇の奥底をも究めて鉱石を捜す。猛禽もその道を知らず、はげ鷹の目すら、それを見つけることはできない。(中略)だが人は、硬い岩にまで手を伸ばし、山を基から掘り返す。岩を切り裂いて進み、価値あるものを見落とすことはない。(中略)では、知恵はどこに見いだされるのか、分別はどこにあるのか。その道を知っているのは神。神こそ、その場所を知っておられる。」
                ヨブ記28章:共同訳

とある。何のことはない。人間の知恵がすごいのは、知恵の根源である神が授けてくれたのだから当然だと言っているのだ。神 を恐れよう。
                        2012-7-19

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第31話「 これぞスポーツマンシップ! 」

     6月5日に行われたオハイオ州の陸上競技大会女子3200m決勝レースにおいて凄いことが起こった。事の起こりはゴール約15m手前で走者の一人であるアーデン・マクマス選手が力尽き倒れてしまった時に始まる。

するとその時、すぐ後ろを走っていたライバルのメーガン・ボーゲル選手が素早く駆け寄り、なんと、倒れた“ライバル”であるアーデンさん抱き起こし、さらに彼女に肩を貸し、一緒にゴールを目指したのだ。

これは決して“草レース“ではなく州の公式戦のしかも決勝である。普通なら少しでも高い順位目指してゴールまで走り続けるに違いない。しかしメーガンさんのとった驚くべき行動に会場の全観衆は感動し、割れんばかりの拍手喝采が巻き起こった。そして彼女たちが一歩一歩ゴールに近づくにつれて拍手の音は大きくなっていく。

しかしこのことはそれだけでは終わらなかった。2人がゴールライン手前まで来た時、なんとメーガンさんはアーデンさんの体を押して先にゴールさせたのだ。通常は選手が他の選手を助けた場合、2人ともレース失格となるところだが、あまりにも感動的な話のため大会関係者らは彼女らのレース参加と順位を認定したほどである。

助けられたアーデンさんは言う。「頭の中が真っ暗になって倒れてしまった時、そこに彼女がいた。そして『あなたが先に行きなさい』と言ってくれた」と。キリスト曰く、

「恵みの時に、わたしはあなたに答え、
 救いの日にあなたを助けた。わたしはあなたを見守る。」
             イザヤ書49章8節  

と。我々の日々の生活において苦しい時、倒れてしまった時、神であるキリストは”そこにいて“助けて下さり、前へと押し出してくださる。 この”救い主“であるキリストを信頼しよう。          2012-6‐14

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第6話「鮨屋にて。ドーソン登場」

    日系3世ドーソン・イシノ。今から10年前、彼はふらりと鮨屋にやって来た。まさか俺たちが主に在る兄弟になろうとは、そして共にミッションを10年に渡って続けていくことになろうとは、まだ知る由もなかった。当時彼は60歳弱で、私が45歳。一回り上の兄貴みたいな存在だが、今振り返ると、これは教会設立に関して主が下さったギフトだったのだとハッキリ確信できる。

カウンターに座った彼は、「何か健康に良い物が欲しい」と言う。聞けば健康が思わしくなく、医者に日本食を勧められたそうな。50年代から70年代にかけて「ジャップ」と罵られ差別された世代の日系人は、日本語や日本文化を学ぶのを避ける人が多く、その結果、日本食を食べない人も多い。彼は寿司を食べるのもこれが初めてだという。“初心者“でも食べやすいウナギなどを勧めたらペロっと平らげ、色々話が盛り上がった。そして私が日本人伝道師(当時)であることを告げたところ、「何!? 君はクリスチャンでしかも日本語が喋れるのか!?」と身を乗り出して来た。「当り前じゃないか。俺は日本人だよ。」と答えると、実はどうしても頼みたいことがあると言う。

彼の年輩のクリスチャンの親友でトムさんという人に80代の未信者のお母さんがいるのだが、日本語しか話せないので、日本語で福音を説明し伝道して欲しいとのこと。「いいですよ。」と快諾したものの、彼は「実は。。」と言葉を濁し、「彼女はLAの施設にいるんだよ。それでも行ってくれるかな?」と申し訳なさそうに聞いてきた。

ここはディズニーランドや大谷翔平クンが所属するアナハイムエンジェルスで有名なOC(Orange County:オレンジ郡)なので往復100キロ。しかもLAとOCを結ぶフリーウェー5号線は大動脈でいつも渋滞しており下手すれば何時間もかかる“一日仕事“だ。それに宣教は一日で終わるものではなく継続して行うものだ。果たして?などと一瞬、脳裏をかすめたが「やろう!」と即決。「そうか!やってくれるか!」とドーソン。すぐにこの店を再訪することを約束し「さっそくこのことをトムに知らせる」と言って喜び勇んで帰って行った。が、この後とんでもないことが起こる。

待てど暮らせど一カ月たっても彼は戻って来なかった。実は電話番号を貰うのを忘れたので連絡しようがない。そして、「ミッキーさん、この店もう閉めるから。」と店のオーナーから突然の知らせが(当エッセー3話参照)。「え?!いつ?」「2週間後。」 えー!じゃドーソンは?トムさんは?お母さんは? モヤモヤする中ついに閉店日の前日を迎えた。「もう会えないかも知れないが、主に全てを委ねます。」と祈っていたら、「キター!!」 その日の午後ついに彼がやって来た。思わず「アンタ今まで何やってたの?!」と聞くと「いやぁゴメンね。体を壊して療養してたんだ。え?明日に閉店??えー?!スゴイね!神さまが僕を今日ここに送ってくれたんだね!じゃあ明日も来るよ!息子を連れて!」と言って“最終日“にもやって来た!大学生の息子さんを連れて。ついに彼とミッションが始まった。

「あなたの道を主に委ねよ。主に信頼せよ。
 主が成し遂げてくださる。」         詩篇37篇5節

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