日本で、立命館アジア太平洋大学の出口治明学長が書かれた 「復活への底力」という本を購入しました。脳梗塞で倒れ、右半身不随と言語障害になった氏の復活物語です。壮烈なリハビリを遂行する氏の意志の強さに敬服することより生きる目的意識の強さに惹かれました。「思いが強ければ・・・、必ず成就する」ことが良く理解できました。
人生には、三つの坂があると言われます。
上り坂、下り坂、「まさか」です。
「まさか」は予期しない時に訪れるものです。それを乗り越えることが出来るのは「意志」しかないことが氏の著書で再確認できました。プロ野球で、優勝が早く決まると、残りの試合は、単なる消化試合でつまらないように、高齢者も余生が消化試合のようであってはならないと思います。「生きる喜び」を見つけたいものです。それには「好奇心」を常に持つことではないでしょうか。
ロサンゼルスで日本語テレビを放映していたジャーナリストのK氏が、丁度一年前に他界されました。
彼は日本に帰国後、大学の政治学の先生として活躍していましたが、ある日、肝臓がん末期と診断され、それから闘病生活が始まりました。
彼とは、東京のマンションが同じということもあり、私が帰国する度に会っていました。
私より五歳下でしたが、彼の生き様は大変勉強になりました。
新薬をテストする『治験』を自分の治療手段に選んでいました。
一時体調が良くなられた際、ロサンゼルスを再訪され『死があって生がある』と題して講演されました。
「死ぬまでしっかり生きる!」の言葉通り、彼は頑張りました。
「死は怖くない?」と聞いたら、「どうせ人間死ぬよ。病気かもしれないし、また不慮の死だってあるじゃない。怖がってどうするの、普通に生きるだけだよ。」と、強がりでなく、淡々と言い切ったK氏の姿が私の脳裏に焼き付いています。
一日一日をしっかり生きることが大切なんだと、改めて思いました。
亡くなる二日前、K氏から「いつ日本に来るの? 美味しいところ見つけたから早くいらっしゃい!」と電話がありました。
声は元気でしたが、そのすぐ後で「実は明日から入院して手術することになった。」と付け加えました。
私は、「あなたは不死身だよ、退院できるよ!」と言って励ましましたが、これが彼との最後の会話になりました。
人間の一生に於いて『余った人生』なんてありませんから、『余生』という言葉は使いたくありません。
私は、これからの時間は『おまけ』だと考え、日々感謝して有意義に生きようと考えています。
- ブログルメンバーの方は下記のページからログインをお願いいたします。
ログイン
- まだブログルのメンバーでない方は下記のページから登録をお願いいたします。
新規ユーザー登録へ