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2019年のノーベル化学賞はリチウムイオン電池

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国際宇宙ステーションで使用され... 国際宇宙ステーションで使用されるリチウムイオンバッテリー (JAXAより借用)
先週、2019年のノーベル化学賞はリチウムイオン電池を発明したスタンリー・ウッティンガム特別教授、ジョン・グッドイナフ教授、吉野彰博士に授与されると発表されたが、くまごろうはかねてよりLED照明とリチウムイオン電池はノーベル賞に値する現代の大発明と思っていたので、喜ばしい限りである。

スタンリー・ウッティンガム特別教授は1976年に正極にニ硫化チタン、負極に金属リチウムを使うリチウムイオン電池を開発してリチウムイオン電池の基本概念を提案したが、金属リチウム電極は安全性などに問題があり実用化には至らなかった。

グッドイナフ教授は1980年にリチウムイオン電池の正極を発明したことで受賞したが、当時オックスフォード大学に留学していた水島公一博士が1978年にグッドイナフ教授の元でコバルト酸リチウムがリチウムイオン電池の正極に適していることを発見したのがきっかけで正極の発明につながった。

吉野彰博士は1985年に負極として炭素材料である黒鉛を使用すると、黒鉛がリチウムを吸蔵するため金属リチウムが電池内に存在せず安全であること、およびリチウムの吸蔵量が多く高容量が得られることなどを明らかにしてリチウムイオン電池実用化の基礎概念を確立した。

これらの技術を組合せ、1991年に世界で初めてソニーが、次いで旭化成がリチウムイオン電池を商品化した。現代社会ではリチウムイオン電池がスマートフォン、コンピューター、自動車、発電、航空機、宇宙ステーションなど広範囲に使用されているが、従来のリチウムイオン電池の3倍以上の出力特性を持ち、低温および高温での優れた充電性、高い充放電サイクル耐久性などの特徴を持った安全性の高い全固体電池の開発が進められており、新エネルギー・産業技術総合開発機構は2020年代前半には車載用全固体電池の実用化を目指している。

またリチウムやコバルトなどの資源は無尽蔵ではなく、現在のリチウムイオン電池では電気自動車1000万台分の電池を作ると資源が枯渇するとも言われている。資源の豊富さと価格の点で代替電池としてナトリウムイオン電池の将来性が注目されている。ナトリウムはリチウムと同じアルカリ金属であり、イオン化傾向はリチウムに次いで高い。しかし電池の電圧はやや低く、現状では電気容量もリチウムイオン電池に劣るため、更なる電極や電解質に関する研究により、安全で高性能な大容量ナトリウムイオン電池が実用化されることが望まれる。

リチウムイオン電池の詳細は2016年6月22日のくまごろうのサイエンス教室を参照されたい。
#科学

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