＜グーグルロゴ＞（１４４）「田部井淳子生誕８０周年」
9月
22日
福島県田村郡三春町に生まれ、小学の時に那須の茶臼岳に登ったことで、登山に興味を持ち、昭和女子大学英米文学科卒業し、働きながら登山活動を始めます。
１９６９年に、「女子だけで海外遠征を」を合い言葉に「女子登攀クラブ」を設立。
女性と男性は、体格や体力の違いもあり、ペースが異なること、また、着替えやトイレなど男女でお互いに気を遣ってしまうこと等の点から、気兼ねのない女性だけのチームを求めての設立でした。
１９７０年に、「アンナプルナIII峰：７，５５５ｍ」に日本女性として初めて登頂に成功。次に、「エベレスト：８，８４８ｍ」の登山を目指します。１９７１年に登山申請を行いますが、当時のエベレストは、ネパール政府により、１シーズンに１つのチームしか登れないルールがありました。
他の国の希望チームとの競合もありましたが、１９７２年に、「１９７５年に登頂する許可」を得ることができました。そこから、準備に入りますが、当時の日本にオイルショックが襲います。資金集めにも苦労し、なんとか４３００万の資金を確保。
通常、登頂には１億以上かかるといわれていた費用を、様々な点で切り詰めて登頂に臨みました。
女性のみの１５人のチームで登頂を開始しましたが、隊員が次々と高山病にかかり、また、大きな雪崩にも遭い、登頂の続行が危ぶまれる状況となります。
それでも、最終キャンプ地点から、２人の隊員と、ガイドのシェルパ（ネパール人）がアタックを試みることを決断します。
最終的に、彼女とシェルパの２名だけのアタックとなりましたが、「１９７５年５月１６日」、２名は登頂に成功、彼女は、世界初の「エベレスト」の女性登頂者となりました。
その後も、様々な山に登頂を続け、１９９２年には、世界で初めて「七大陸最高峰」を登頂した女性登山家となりました。「七大陸最高峰」の登頂については、以下の通りです。
・アジア大陸：エベレスト（８，８４８ｍ） １９７５年（女性世界初）
・アフリカ大陸：キリマンジャロ（５，８９５ｍ） １９８１年
・南アメリカ大陸：アコンカグア（６，９６２ｍ） １９８７年
・北アメリカ大陸：デナリ（６，１９０ｍ） １９８８年
・南極大陸：ヴィンソン・マシフ（４，８９２ｍ） １９９１年
・オーストラリア大陸：コジオスコ（２，２２８ｍ） １９９１年
・ヨーロッパ大陸：エルブルス山（５，６４２ｍ） １９９２年
女性登山家の先駆者として活動、登山活動の他に、山岳環境保護活動なども積極的に行いました。年々増えるエベレストの登山者による「ゴミ問題」の研究を九州大学大学院にて行いました。登山者に対しては、マナーの向上の啓蒙活動を行いました。
東日本大震災後、被災地の復興を担う子どもたちに、「日本一の富士山に登ることで自信をつけてほしい」という意図で「東北の高校生の富士登山」を企画。彼女の死後の現在も活動は継続されています。
晩年は、がんを発症しながらも、登山活動や、各地での公演を続け、生涯現役を貫きました。
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