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プロの為の鉛筆とメカニカルペンシルの変革(2)

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烏口、烏口コンパス 烏口、烏口コンパス ペリカン グラフォス ペリカン グラフォス
製図用具:
インデアインク(黒鉛と膠を水溶したインク)による仕上げは「墨入れ」と呼ばれ チューブ型のテクニカルペンが発達する前は、「烏口(からすぐち)」と「つけペン」が主流でした。インデアインクは機具の内部で乾いてしまうと洗浄が不可能です。これはテクニカルペン(万年筆も含めて)とインクそのものとの宿命的課題でもあります。その点、「烏口」や「つけペン」は洗浄が容易という利点があります。「烏口」に替わって、ロットリングに代表される チューブ系のテクニカルペンが開発され、主流を占めるようになりました。鉄のペン先がフィルム面との接触で、すぐに摩耗してしまうた為、高い硬度のタングステンや滑りも良い人工宝石を使った高価なものもプロには愛用されました。私自身も、ボーイング社で「マイラー」へのレタリング専用として、テクニカルペン(ファバーカステル社製)の タングステンカーバイト先端部を筆記角度に合わせて硎磨したものを使用しておりました。

鉛筆は芯フォルダーを使う普通の鉛筆サイズの替芯が使われていましたが、一定の線をひくには先を線巾に合わせて長方形にヤスリで研ぎ出して使用されました。かなりの筆圧を込めて一定の線をひくのは訓練が必要です。芯の研ぎ出しの手間を省く為に,線の太さの厚さを持った平たい芯と,専用の芯フォルダーもありましたが,細くても折れないポリマー替芯がメカニカルペンシル(シャープペンシル)用に開発され消滅しました。

80年代に入りCADが導入され,現在、機械製図は殆どCADになりましたが、建築やインテリア業界では伝統的なスケッチやパースが好まれ、鉛筆やシャープペンシルの出番があるようで、CADでも鉛筆のかすれた筆致を模した線の表現ができるソフトなどもあるようです。
そういう意味で、現在のプロ仕様と呼ばれるシャープペンシル類はエンジニアの製図用具としてより、アート系を主に、世界最高の鉛筆製造技術を達成した探求心と拘りに憧憬とロマンを感じる愛用者によって支えられているのかも知れません。
#ブログ #文房具 #製図道具 #鉛筆

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ファルコン
ファルコンさんからコメント
投稿日 2016-02-20 10:14

懐かしいです「烏口」、紙やすりで研いでいたじだいが懐かしいですね。
1970年代からは「ロットリング」での隅入れになりましたが、まだわたしも苦楽を共にすごした道具だけは捨てられず、大事にしまっています。(苦笑)

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penpenpen
penpenpenさんからコメント
投稿日 2016-02-20 10:55

烏口、漆ですとか粘度の高い塗料で均一な線に引くには出番があります。

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