《襍草・/・古往今来101》田代蘭


タシロラン(田代蘭)   ラン科(Orchidaceae)
学名:Epipogium roseum (D. Don) Lindl.

**お見苦しい写真で、お許しをm(._.)m(^з^)。**
どことなくボロ布のように見える不可思議な花。
以前は、ギンリョウソウやショウキランと同様に菌類から栄養をとる腐生植物と云われていた。
準絶滅危惧種(NT)に指定されてる稀少な植物。
この植物の存在は、自然環境豊かな証である。
マヤランに続いて同日、同じ里山で見れたのは、幸運だった。
タシロランは、発見者の名前に因んでいるラン科の「菌従属栄養植物」。
従前は「腐生植物」と呼ばれたが菌根菌との関係が明らかになり、
「菌従属栄養植物」と呼ばれるようになった。
分布は関東以西の主に太平洋側。花期は6月下旬から7月上旬にかけての約2週間。
種子は開花後1週間ほどで散布される。
花序は最初、うなだれた姿で出現。これは花茎が硬くなる前に成長してる、
生長の速さを示しているのだとか!?!
全体に白っぽく、葉緑素は持っていない。どことなく幽霊っぽい(主観^^)。
花序が直立し下方から順次花が咲く。花柄の基部には、薄質の苞がある。
花被片は披針形で、距の長さは約5mm、唇弁には淡紅色の斑点がある。

菌従属栄養植物」とは;
地下組織において、菌類(=キノコやカビの仲間)と共生し、菌根を形成していることが判明している。
菌根とは菌類が植物の根に侵入して形成する共生体。
通常、この菌根共生では、植物は光合成できない菌類に光合成産物である炭水化物
(=生きるためのエネルギー源)を提供し、菌類は窒素やリン酸などを植物に提供している。
植物の根よりも細い菌糸は土の間に入り込みやすく、土壌中の栄養塩類を取り込みやすい。
タシロランなどの光合成を放棄した植物では、炭水化物も菌類から摂取している。
タシロランはナヨタケ科の菌類と菌根を形成していることが判った( Yamamoto et al. 2005 )。
ナヨタケ科の菌は腐生菌、落葉や落枝などを分解して炭素化合物を得て生活している。
タシロランは、ナヨタケ科の菌類が存在しないと生きていけず、ナヨタケ科の菌類に寄生していると言える。
しかしナヨタケ類は「寄生」というほどでは無いことで「従属栄養」という言葉が使われ様になった。
人間も他の生物「食物」を食べ続けなければ生きられない従属栄養の生物であるのであります。


7月9日誌「7/6大和市・泉の森」
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