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岩魚太郎の何でも歳時記

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「上海福喜食品」問題についての考察]

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『食品分野』『工業分野』 いずれも ウィキペディアからの引用

『食品分野』
Hazard Analysis Critical Control Point
HACCP とは、食品の製造・加工工程のあらゆる段階で発生する恐れのある微生物汚染等の 危害をあらかじめ分析( Hazard Analysis ) し、その結果に基づいて、製造工程のどの段階でどのような対策を講じればより安全な製品を得ることができるかという 重要管理点( Critical Control Point ) を定め、これを連続的に監視することにより製品の安全を確保する衛生 管理の手法です。
この手法は 国連の国連食糧農業機関( FAO )と世界保健機関( WHO )の合同機関である食品規格 (コーデックス) 委員会から発表され,各国にその採用を推奨している国際的に認められたものです。

『工業分野』
国際標準化機構(こくさいひょうじゅんかきこう、International Organization for Standardization、略称: ISO(イソ、アイソ)は、電気分野を除く工業分野の国際的な標準である国際規格を策定するための民間の非政府組織。本部はスイスのジュネーヴ。スイス民法による非営利法人。公用語は英語、フランス語、ロシア語。各国1機関が参加できる。
国際標準化機構が出版した国際規格 (IS) も、一般にはISOと呼ぶ。

『日本マックに供給品質』
「日本のマックには良質商品供給」元従業員が暴露と中国紙
2014.7.25 21:20 [食の偽装]
マクドナルドの店先に張り出された、中国製チキン商品販売中止のお知らせ=25日夕、東京都港区
 25日付の中国紙、新京報によると、米ファストフード大手マクドナルドなどに使用期限切れの食肉による加工品を販売していた「上海福喜食品」の元従業員を名乗る人物が昨年1月、短文投稿サイトの微博(ウェイボ)に「日本マクドナルドには優れた原料(の加工品)を提供し、中国では期限切れや質の劣る原料を使っていた」と書き込んでいた。
http://sankei.jp.msn.com/world/news/140725/chn14072521200010-n1.htm

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以下は私の考察

『食品分野』のHACCP 『工業分野』 ISO
この二つの規格も、当然国際規格である。
両規格とも分野の相違があるが、資格審査をする審査機構会社がある。
『工業分野』ISOの資格取得方法

1・国際規格審査に合格した資格審査会社がある(当然この会社の在籍社員は審査をする資格保持者である)その会社を仮に「S審査会社」とする。

2・工業分野でも「ISO」の取得がなければ、受注が困難である。EUはじめ米国も含めて世界が高品質の製品を求めているのである。
「悪かろう、安かろう」の時代は半世紀前の思想である。
親会社、一次下請け、二次下請けまでも、「ISO」の手法管理が発注元より要求される。当然のことながら、一次下請けは「ISO」を自ら取得しなければ注文はゼロである。

3・過去私が工場長で操業していた工場は、ノートパソコンの一次下請けをしていた。
従業員数300人 「上海福喜食品」同じ規模の工場である。
私の工場を、仮に「A工場」とする。

4.A工場は、S審査会社に 「ISO」取得申請をした。費用一千万円である。期間は12ケ月。A工場は、「ISO」資格取得ための指導費用が一千万円である。
予定の12ヶ月間で取得出来ず期間が延びれば、延長費用が取られる。

5・「ISO」(品質管理)の基本の基本は、整理整頓である。
「ISO」最初の指導は、整理整頓を徹底的に指導される。
一般的言われる『5S』である。
『5S』の意味である。

名前は、5項目のローマ字での頭文字がいずれもSとなっている事に由来する。
5Sに基づいた業務管理を5S管理・5S活動などと呼ぶ。

整理(せいり、Seiri)
いらないものを捨てる
整頓(せいとん、Seiton)
決められた物を決められた場所に置き、いつでも取り出せる状態にしておく
清掃(せいそう、Seisou)
常に掃除をして、職場を清潔に保つ
清潔(せいけつ、Seiketsu)
3S(上の整理・整頓・清掃)を維持する
躾(しつけ、Shitsuke)

決められたルール・手順を正しく守る習慣をつけ、その指導を受けた後、次の指導の前に、整理整頓が確認される。

その再現である。

審査員が来社する。
審査員様である。工場長自ら応接室にご案内する。
応接室には、部長、課長、係長、班長のISO担当社員が勢揃いしている。
整理整頓の指導受けた後の結果しんさである。
工場のラインは自信をもって整理整頓している。
突然、審査員口を開いた。

審査員「工場さん。工場長室を見せて頂けませんか?」
私「はぁ?結構ですけど?」
審査員「皆さんも全員来て下さい」私が先頭、審査員、社員の順に工場長室に入る。

審査員がファイルを見ながら

審査員「工場長さんが、A工程の工程内不良率報告を毎日受けることになっていますね。そのファイルを見せて下さい」

と、言って時計を見ている。

私は、そのファイルが見つからなくて書庫の棚をさがして差し出すまでに5分の時間が経過した。

審査員「整理整頓がとても出来ているとは思いません。書類を出す時間は最悪でも1分です。工場長さん、製造ラインが1分停止したらどうなさいますか。ました5分で20名のラインの時間の損失を考えて見てください」
一同愕然!
審査員「工場長さん、デスク引き出しを開けて見てください」

審査員がデスクを見る。
審査員が、ボールペン選び出す。
10本ある、それを机の上に並べる。

審査員「人が文字を書くのは手です。ボールペンの使用は1本あれば足ります。残りの9本は余分です。赤と青と黒、残りは余分です。残りのボールペンを材料と見なすなれば、1本のボールペンを使うのに9本の在庫を持つことになります。しかも、時間切れで、いずれ書けなく破棄することになります。しかも鉛筆、ホッチキス、消しゴム、ゴルフボール、乱雑で整理整頓出来ているとはお世辞でも言えません。審査結果10点満点でゼロ点です!」

審査員の目的は、工場長のだらしなさを部下に見せることによって、部下の意識改革を鼓舞する目的でした。それは、私が事前に審査員に申し入れた「やらせ」でした。

決められたこと、を決められた方法(作業手順)にしたがって、確実におこなう、それが『食品分野』のHACCPであり、『工業分野』ISOなのです。

ちなみに、電子部分で組立した機器を中国から輸入する場合は、全数目視検査と機能検査を実施するのが基本です。

「上海福喜食品」画像で、床に落下したミンチをラインに戻す映像がありました。食品の場合はラインに戻したミンチを、検査するすべがありません。

中国の観光客が、秋葉で炊飯器を大量に購入している光景を見ます。
中国でも炊飯器は製造しています。しかし品質が悪いのです。
その事を彼らは知っているのです。

我々日本人は、いい加減「低価額至上主義」は、やめませんか?
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KUMA
KUMAさんからコメント
投稿日 2014-07-29 07:16

低価格至上主義は、このままでは絶対になくなりません。この事故後もおそらく喉元過ぎれば・・・・です。
中国製品は玉石混交ですが、玉を探すのは至難の業、かつ思わぬ高価格です。
材料仕入れ業者は真剣に探しますが、見つけても「安定」は期待出来ません。
現在の価格は低価格ではなく、最早それに慣らされた「通常価格」なんです。コンビニのお弁当が300円程度、豆腐は25円で売られていますが、これを「安い」と思うのは「高い」時を知っている年代だけです。この現実の打破はどうすべきでしょうか?

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岩魚太郎
岩魚太郎さんからコメント
投稿日 2014-07-29 10:06

ご指摘のように、高い時代を知っている世代だけかも知れません。
しかし、床に落ちだミンチを拾って元に戻す品質の食品を、のど元すぎて食べ続けるのでしょうか?

この現実の打破はどうすべきでしょうか?と、言うご提言には、消費者の意識改革しかないと思います。

私の知人の中国人は、決して自国の食品は買わないそうです。
その知人は言いました。
それが悲しい中国の現実ですと・・・

強いて言えば、政府の食糧政策が悪い(*^_^*)と言う論法になるのかもしれません。

今日は丑の日です。
せめて日本産蒲焼きでもと思うのですが?

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Toshiaki Nomura
Toshiaki Nomuraさんからコメント
投稿日 2014-07-29 16:14

この手のことはほぼどこでも行われてることだと思います。
ま、考え方の違いなので無くならないと思います。
しかし、日本でもこれに近いようなことは以前はあったと思います。
自分も若い時にある食品メーカーのラインでアルバイトをしたことがありますが、
ここまでではないですが似たような光景を目撃しました。
どこの国にもあることなんですね。
しかし、今の日本ではかなり改善されていると思います。
中国で改善されるのはほとんど無理ですね。
国民の意識が全く違うと思います。
孔子が生まれる土壌は今でも変わらないと思いますね。
安さを求めるなら毒を覚悟で食べるしかないと思いますね。

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岩魚太郎
岩魚太郎さんからコメント
投稿日 2014-07-30 01:29

私は、このブログに、この一文をUPしたことに反省しています。
思えばかつての日本もそうでした。
食糧の話ではありませんが、水俣病を思い出します。
この公害問題は、いまだに全面解決には至っていません。
中国の毒入り餃子も、今回の問題も、ご指摘のように、これに類似したことはありました。
日本でも、産地偽装の表示問題も、つい最近の出来事です。

我々日本人は、いい加減「低価額至上主義」は、やめませんか?

こんな私の目線を反省しています。
上から目線だと気づきました。
消費者の選択に任せるべきだと意識を変えました。

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